「特変」結成編4-3「フツーの青春(2)」

あらすじ

「そっか、えへへ……何云ってるのか、分かんないや……!」☆「「特変」結成編」4章3節その2。謙一くん不本意ながらショッピングモールにて後輩デート。ゲームセンターを後にした一行に待ち受けていたものは……? 今回はもう露骨な伏線回です。

↓物語開始↓

Stage: 冨士美テラス


PM2 30


Face_so

【奏】

次はどこ行こっかー!


Face_kenichi

【謙一】

コイツの精神一体どうなってんだ


Face_nagi

【凪】

考えるだけ無駄よ


 デート的なアレはまだ続く。


 謙一はまだ帰れないのである。


Face_fui

【譜已】

その、ごめんなさい……先輩……


Face_kenichi

【謙一】

ん? 何で謝るんだ?


Face_fui

【譜已】

その……結局、お休みの日なのに疲れさせちゃって……


Face_kenichi

【謙一】

それは譜已ちゃんが謝る事じゃないと思うんだホントに(←奏を見る)


Face_so

【奏】

????


Kenichi

 コイツッ……!!


Face_kenichi

【謙一】

譜已ちゃんは疲れないか? こんな元気な親友と一緒に居て


Face_fui

【譜已】

慣れた、という感じでしょうか……?


Face_kenichi

【謙一】

そっか


Kenichi

 何か悲しい気持ちになったので取りあえず撫でた。


Face_fui

【譜已】

~~~~……


Face_so

【奏】

いつも通りケンパイが譜已ちゃん贔屓してるー……後輩ってんなら私もでしょー


Face_nagi

【凪】

貴方撫でたところで何のメリットがあるのかしら。寧ろ手がびるじゃない


Face_so

【奏】

私の頭はチーズってか……どうやらまだ戦い足りないみたいだねナギパイ……!


Face_kenichi

【謙一】

何かもうコイツら放っておいて俺たちだけでどっか行かない? 俺疲れたわ


Face_fui

【譜已】

えっ!? そ、それは……~~……


Face_nagi

【凪】

…………(無言のラリアット)


Face_so

【奏】

…………(無言の跳び蹴り)


 瞬時にして見事な連携必殺がナンパ男に炸裂した。


Face_kenichi

【謙一】

な……何故……やっぱりお前ら、最高に仲良いよな……


Face_nagi

【凪】

貴方言葉に気を遣ってるキャラなら少しは学習なさいよ


Face_kenichi

【謙一】

俺何も嘘云ってないつもりなんだが……


Face_nagi

【凪】

……………………


 「ダメだコイツ」という視線で凪は苦しむ男子を見下していた。
 と、そんな時。


Face_noname

【わんこ】

わんわん


Face_so

【奏】

え?


 カオスな4人組に突然ワンちゃんが乱入し、そのうち一人に飛び込んだ。


Face_fui

【譜已】

ひゃっ……!


 譜已は思わず尻餅をついた。
 そしてじゃれ合い始めた。


Face_fui

【譜已】

えへへ、可愛い……どこから来たの……?


Face_noname

【わんこ】

わんわんわん! きゃうきゃう!


Face_fui

【譜已】

そっか、えへへ……何云ってるのか、分かんないや……!


Face_kenichi

【謙一】

譜已ちゃん、懐かれるのはええな……


Kenichi

 流石、パンダにも即行で懐かれた生態班隊長……。
 ていうかめっちゃ注目を浴びてますな俺たち。


Face_kenichi

【謙一】

ほんと、どっから来たんだろうなこの犬


Kenichi

 確か、プードルって種類だよな……。
 随分と毛並みが綺麗だ……汚れてない。これで野良犬ってことはないだろう。


Kenichi

 つまり、ペットとして大事に可愛がられている……が、逃げてきてしまったワンコと考えられるな。


Face_kenichi

【謙一】

……でも、首輪も手綱もないな……


Face_nagi

【凪】

……奏


Face_so

【奏】

え? 何ナギパイ?


 一方、凪は奏を呼んでこそこそ話をし始めた。


Face_so

【奏】

…………――え!? もしそうなら、ちょっと、ヤバいんじゃ――


Face_kenichi

【謙一】

どうした? 何か分かったのか?


Face_so

【奏】

べっつにーーーー(←明後日の方向へ口笛)


Face_nagi

【凪】

何も分かってないわ、殺されたいの?


Face_kenichi

【謙一】

えぇぇぇぇぇ……


Face_fui

【譜已】

取りあえず、飼い主さんが居るなら……探さないと……


Face_so

【奏】

……!


Face_kenichi

【謙一】

だなー。どうせやることも決まってなかったし――


 二人は迷うことなく動き出した。


 ……それを一歩遅れて附いて行く二人。


Face_nagi

【凪】

マズいわね


Face_so

【奏】

と、取りあえず何とかワンちゃんと譜已ちゃんを離れさせればOKだよね……!


Face_nagi

【凪】

貴方得体の知れない人間なんだから、あの犬怯えさせなさいよ。勝手に逃げてくれるんじゃない?


Face_so

【奏】

ナギパイいつか絶対泣かす……でも、それ名案かも! やってみるよ!!


 奏は作戦を実施した。


Face_so

【奏】

うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ


Face_kenichi

【謙一】

え?


 二邑牙奏、渾身の平地転倒。


Face_noname

【わんこ】

わんわんわん(←抱かれてる)


Face_fui

【譜已】

可愛い~☀(←抱いてる)


 アウトオブ眼中。


Face_so

【奏】

グッ……負けるか、うおぉおおおおおおあぁあああああああ!!!


Face_noname

【わんこ】

あう~~あう~~(←ペロペロ)


Face_fui

【譜已】

くすぐったいよ~☀


Face_so

【奏】

てえああぁあああああああああ!! しゃあぁああああああああああ!!


Face_noname

【わんこ】

Zzz……(←落ち着く)


Face_fui

【譜已】

ねーーんねーんこーろりーよ……


Face_so

【奏】

ふぉらぁあああ――ぐべばっ!!(←叩)


Face_kenichi

【謙一】

今子守歌タイムだから静かにしろっての


Kenichi

 ってかいきなり躓きまくってるんだけどどうしたのコイツ? もうほんと怖いんだけど……。


 作戦は失敗だった。


Face_so

【奏】

あ……あんなぽっと出のワンコに譜已ちゃん奪われた……((泣))


Face_nagi

【凪】

こんな時にすら役に立たないんだから本当どうしようもないわね貴方


Nagi

 ……気付けばエスカレーター前。
 そして近くにはデジタルサイネージ。この冨士美テラスの地図が簡易的に表示されていた。


Nagi

 ペットショップは……ここより一つ上のフロアなのね。
 取りあえずそこに上がらせないようにすれば、まだ幾らでもやりようは――


Face_kenichi

【謙一】

お、地図じゃん。えーっと現在地は――


Face_nagi

【凪】

ッ――!


Face_kenichi

【謙一】

……よし、上に上がろうか


 烏丸凪の殺意オーラが5Lv.上昇した。


Face_fui

【譜已】

上、ですか……?


Face_nagi

【凪】

な ぜ な の か し ら


Face_kenichi

【謙一】

何で今このタイミングで凪が若干黒く見えるのかが俺も疑問だけど、簡単な話だよ。上には、簡易的なインフォメーションがある


Face_kenichi

【謙一】

そこで事情話せば、ワンちゃんのことアナウンスしてくれると思う。そうなれば飼い主さんも気付くかもしれないだろ。何にせよ、俺らじゃどうしようもない問題なんだし店に任しちまえばいいんだ


Face_kenichi

【謙一】

それに、凪、確か上の本屋で文庫見るって云ってたしな。ワンちゃん預けて其処行こうぜ。我ながらナイスなアイデアだろ


 烏丸凪の殺意オーラが10Lv.上昇した。


 そしてナイスなアイデアの通りに一行は昇りのエスカレーターに乗った。


Face_so

【奏】

ちょっとナギパイ、どうしてくれるのー……! ナギパイが本屋さん寄るっていうから……!


Face_nagi

【凪】

分かるわけないでしょこんな場面で伏線回収されるとか


Face_nagi

【凪】

それに、実際インフォメーションに預けるという手段は効果的よ


Nagi

 地図を見たところ、此処のペットショップはインフォメーションよりも距離がある。少々不安に思うところはあるけれど、普通ならこれで問題は解決――


 フロアに到着した。


 その瞬間、声を掛けられる。


Face_noname

【客】

あ、もしかして――


Face_fui

【譜已】

え?


Face_kenichi

【謙一】

ん?


Face_noname

【客】

その子、ヨシツネじゃありませんか……?


Face_so

【奏】

……ヨシツネ? あ、もしかしてこの譜已ちゃんを奪った恨めしいワンコの飼い主さん!?


Face_noname

【客】

ああいや、俺は違うけど……さっきポスターを見て……ほら、あれ


Face_kenichi

【謙一】

ポスター……?


Kenichi

 指差された方向には、確かに壁に貼られたA4サイズのポスター。
 そこには写真と、でっかいメッセージ。


 「優しい人にお願い! 優しくなくてもいいから、ヨシツネを見たらご連絡を!」


Face_kenichi

【謙一】

……ペットショップからの捜索願、か……


Kenichi

 譜已ちゃんに抱かれて眠っているワンコを見る。
 なるほど、確かに似ている。この子はヨシツネという名前の……飼い主が決まったばかりの女の子だったのか。


Face_kenichi

【謙一】

行くべき所は、一択だな


Face_fui

【譜已】

はい……!


Face_so

【奏】

……………………


Face_noname

【客】

いやぁ、見るだけでなく連れてきてくれるなんて、やっさしいなぁあっはっは!!


Face_kenichi

【謙一】

そりゃ譜已ちゃんだからなぁあっはっは――


Face_nagi

【凪】

……………………


 烏丸凪の殺意オーラが20Lv.上昇した。


otherside


So

 ……ケンパイと、譜已ちゃんが、ペットショップに入っていった。


So

 別に多人数で押しかけなくてもいいよねっていうケンパイの判断で……そして譜已ちゃんはケンパイを指定して……
 ナギパイと一緒に、私はペットショップ前で待機……ていうか臨戦態勢で立っていた。


Face_nagi

【凪】

……貴方は何もしなくていいのよ。どうせ、失敗するだけなんだから


Face_so

【奏】

ナギパイだって失敗してたくせに


Face_nagi

【凪】

五月蠅いわね


So

 ……でも、どうやら心配は杞憂だったみたいで。
 特に何か面倒な事は起こらずに、私たちはそのままペットショップを後にした。



Face_kenichi

【謙一】

え、本屋行かなくていいのか?


Face_nagi

【凪】

……今日は、いいわ……疲れた


Face_kenichi

【謙一】

そりゃまああんな大観衆の中でゲームやればなあ――って何で俺睨むの!?


Face_fui

【譜已】

…………


Face_kenichi

【謙一】

ったく、ワケ分かんねえな……それに比べて、譜已ちゃんは本当に素晴らしいなぁ(←撫でる)


Face_fui

【譜已】

え、え……?


Face_kenichi

【謙一】

だってお手柄だろ? 買い取りに来てた新飼い主さんが凄くお礼云ってたじゃん


Face_fui

【譜已】

でも、私、あんまり凄いことしたってわけじゃ……


Face_kenichi

【謙一】

譜已ちゃんにとっては日常的なのかもな。だったら尚更凄いよ


Face_kenichi

【謙一】

凄いことをしたわけじゃない譜已ちゃんは、その有りの儘の姿で感謝されるんだ


Face_kenichi

【謙一】

素敵なんだよ


Face_fui

【譜已】

あ……あぅ……


Face_kenichi

【謙一】

だけどあのヨシツネとかいう暴れん坊、あの飼い主さんに果たして御せるかどうか……苦労するぞ多分


Face_fui

【譜已】

……あはは、そう、ですね……元気いっぱいだから……


Face_kenichi

【謙一】

いざという時は、また譜已ちゃん出動だな


Face_fui

【譜已】

え、えー……?


So

 ケンパイは、いつもみたいに譜已ちゃんをべた褒めして……
 譜已ちゃんはケンパイの撫でる手に、気持ちよさそうにしてるのが後ろ姿からも分かった。


Face_so

【奏】

…………


Face_nagi

【凪】

あの莫迦の所為で何度平穏乱されたことか……これだから無知は――


Face_so

【奏】

……多分、ケンパイ、何か察してたよ


Face_nagi

【凪】

……奏?


So

 ……やっぱり、譜已ちゃんは少し、様子がおかしかった。私やナギパイが恐れたように……。
 だけどソレは端から見たら、おかしいと云われても分かんないぐらい些細な違い。


So

 ソレを、ケンパイは見破っていたとしたら。
 だから、いつもよりもベタベタに譜已ちゃんを褒めて、撫でて、笑って……安心させてるように、私の目には見えた。


Face_so

【奏】

ケンパイなら――


Face_nagi

【凪】


Face_nagi

【凪】

あんまり余計なことをしないで。貴方が何を意気込んだとしてしても……


Face_nagi

【凪】

結局貴方はドジるんだから


Face_so

【奏】

う……分かってるよーだ!!


So

 今はまだ、譜已ちゃんの行き先を……。


So

 その一つとして、ケンパイとの関わりを、見守っていくしかない……。


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