「特変」結成編4-3「フツーの青春(1)」

あらすじ

「さあさ、後輩デートだよケンパイ、エスコートエスコート♪」☆「「特変」結成編」4章3節その1。修学旅行を公的にサボった特変。意図せず出来た安らぎの1週間を謙一くんはどう満喫するのか。作者は基本的にぼっち属性。

↓物語開始↓

290712



Kenichi

 ――昨日、1年生全員及び訓舘先生に伝えた通り、俺たちは修学旅行期間の間、休日を堪能することにしたのだ。
 各々の休日だ。仕事せず、自分の好きなことをやってていい5日間。最高じゃないか。


Kenichi

 故に俺も、自分の家で愛妹と一緒に白宮さんのライブ映像を――



Face_kenichi

【謙一】

――見る予定だったのに!!


Face_kenichi

【謙一】

俺がそんなにッ、嫌いかッ!!


Face_kenichi

【謙一】

答えろ、奏おぉおおおおおおおおおおお!!!


Face_so

【奏】

デートの合流第一声がソレは流石に怖すぎて怯えるレベルだよ……


 というわけで案の定というべきか、謙一はずっと家でのんびりしてると宣言した翌日から外出に駆り出されていた。


Face_kenichi

【謙一】

畜生……何で、俺、断れなかったんだ畜生……


Face_so

【奏】

今日やけに本音ダダ漏れだねケンパイ……楽しく誘った側は正直結構傷付くよ……? 譜已ちゃんもうそろそろ来るよ?


Face_kenichi

【謙一】

あ? 人選んで漏らしてるに決まってるだろうが。あ、譜已ちゃん達来た


Face_fui

【譜已】

ご、ごめんなさい……謙一先輩、待たせちゃいましたか……!


Face_kenichi

【謙一】

ううん、今来たとこだよ。こんにちは譜已ちゃん


Face_nagi

【凪】

駄々をこねてた割には結局来たのね貴方


Face_kenichi

【謙一】

譜已ちゃんのご所望となれば先輩として断るわけがないわな


Face_fui

【譜已】

あ、ありがとうございます……えへへ……


Face_so

【奏】

……………………


 ということで一行はデートもとい遊びに、冨士美テラスに来ていた。


Stage: 冨士美テラス 外


Face_kenichi

【謙一】

しっかし、此処来たのは多分翠ちゃんに呼び出された時以来だなぁ。懐かしいわ


Face_fui

【譜已】

……翠ちゃん……


Face_kenichi

【謙一】

凪、こういう時俺はどうやって立ち回ればいいんだろう


Face_nagi

【凪】

どうでもいい事を考えさせないで。あと正直貴方気持ち悪いわ、人の母親ちゃん付けって


Face_kenichi

【謙一】

仕方無いじゃん……権力者としての宿命なんだ……


Face_nagi

【凪】

どんな宿命よ


Kenichi

 ……翠ちゃんから奨学生の書類を、此処で渡されたんだっけ。
 そして特変という言葉を初めて聴いた……それを思い出すと、なかなか重要な場所と思えてくるなぁ。売ってるもの大半嗜好品で俺には無縁なのに。


Kenichi

 んで、今日は俺と違ってちゃんと現代的なお洒落にも嗜みたい女子たちに附き合うわけだ。未知な世界と考えていいだろう。


Face_kenichi

【謙一】

何を見るんだ?


Face_so

【奏】

取りあえずゲームコーナー?


Face_kenichi

【謙一】

おぉっと昨夜形成した俺の本日のイメージが早速瓦解してきたぞ……


Kenichi

 まあ、らしいといえばらしいが。


Face_so

【奏】

さあさ、後輩デートだよケンパイ、エスコートエスコート♪


Face_kenichi

【謙一】

といいつつ後輩おまえが引っ張っちゃってるんだよなぁ俺の手……


Face_fui

【譜已】

ま、待ってよ奏ちゃんー……!


Face_nagi

【凪】

私後輩じゃないんだけど


 普通に目立つ4人組のモールデートが始まった。


Stage: 冨士美テラス アミューズメントエリア


 云っていた通りゲームコーナーに到着した一行。


Face_kenichi

【謙一】

ゲームはゲームでも、どんどん金を注ぎ込んでいく悪徳な方のゲームか……


Face_nagi

【凪】

普通にスタッフに聞こえる声でいちゃもん付けるのやめなさいよ


Kenichi

 まあ、現金やらコインやら、目に見えるものを自分の手で消費してプレイする形式だから、まだ金銭感覚への攻撃が見えやすい。
 それよりも、沙綾がドハマリしてたあのアルスのアプリゲームは……もう沼にしか見えなかったな……くわばらくわばら……。


Face_so

【奏】

やっほー細橋さーん


Face_kenichi

【謙一】

っておい、いきなりスタッフに声掛け始めたぞアイツ


Face_fui

【譜已】

常連だから……


Face_noname

【細橋】

おっ、不屈の奏ちゃんが今日も烏丸さんを連れてやってきたかー……ってあれ、見慣れない男の子がいる。まさかのコレ!?(←小指立てる)


Face_so

【奏】

そーそーそんな感じー(←小指立てる)


Face_kenichi

【謙一】

何のジェスチャーかはよく分かんないけど、先輩としてはもうちょっとしっかり説明してほしいんだよなぁ嫌な予感がする


Face_so

【奏】

……金蔓、的な?


Face_kenichi

【謙一】

今日はそれぞれ自費でよろしくな!?!?


Kenichi

 まさかその為だけに俺呼ばれたわけじゃないよな!?


Face_so

【奏】

ケンパイのことはどうでもよくて、今日こそ積年の恨みを晴らす時だよーナギパイ……!


Face_nagi

【凪】

私例の如くヤル気ないのだけど


Face_so

【奏】

ふふーん怖いのかな? この私に負けるのが怖いんだねーやーい!!(←小指立てる)


Face_noname

【細橋】

そういう時は小指じゃなくてね、こうやってー……


Face_so

【奏】

……こう?(←中指立てる)


Face_nagi

【凪】

ひねり潰してあげる


Face_kenichi

【謙一】

お前案外ノリ良いよな……


 ゲーム対決が始まった。


 第一回戦、定番のカーレースである。


Face_kenichi

【謙一】

へぇ、四人プレイができるのか……無駄に車四台並べてスペース取ってるけど、需要あんのかなコレ……


Face_noname

【細橋】

そろそろ二台撤去しようかなって話になってますね


Face_kenichi

【謙一】

やっぱり……


Kenichi

 てか客にその情報出していいのだろうか。
 しかし今はまだ四台あるので、丁度四人でプレーすることになった。


Face_fui

【譜已】

わ、私全然、やったことないのに……


Face_kenichi

【謙一】

俺も普段自動二輪乗ってるからやる意義無いんだよなぁ


Face_fui

【譜已】

未経験者、私だけ……


Face_so

【奏】

へっへへへ、かっ飛ばすぜー!! ひゃっはーー!!


Face_nagi

【凪】

早くエンジン入れなさいよ(←MT選択)


Face_so

【奏】

えーっと、コース選択は……勿論、最難関山道コース!!


Face_kenichi

【謙一】

うっわ、何コレガチ険道じゃん!?


Kenichi

 コース概要を眺め見るだけで分かる、これは人の通る道ではないと。


Face_noname

【細橋】

ではー、盛り上がって参りました、毎度お馴染みの二人のガチ対決!! 今回はおまけで2人いらっしゃいますが、実況は変わらず私・冨士美店で最も自己主張の苦手なスタッフ・細橋がお送りしまーす!!


Face_kenichi

【謙一】

いや、もう既に自己主張激しめな気がするし、一体この店のスタッフどんだけ濃いの――って!?


Face_noname

【noname】

【外野】「「「いええぇえええええええええいいい!!」」」


Face_kenichi

【謙一】

えぇええええっっっ!? いつの間に観客できてたのーー!?


Face_fui

【譜已】

け、結構白熱化するのが、お店的でとても見栄えが良いからって……有名イベントになってたりします……


Face_kenichi

【謙一】

客寄せパンダにでもなってる気分だな……


Kenichi

 ていうか平日お昼に何でこんな人集まるんだよ!!


Face_noname

【細橋】

では、現実のドライブを意識して徹底的にリアルを追求した新世代レースゲーム「エクスタシードリフト」最大難易度コース「ボルカニックハイウェイ」、レディー……スタートォ!!!


Face_kenichi

【謙一】

全然現実感ないコースなんだけどおぉおおおおお!?!? 何で超絶活火山走ってんの俺たちぃいいい!?!?


 レーススタート!!


 といっても抜きつ抜かれつの展開は全く無かったのでダイジェスト。


Face_noname

【細橋】

ゴーーーール!! 見事なドリフト捌き、そしてプロでも中々真似できない火山礫によるダメージブーストで2位と大差をつけて3周しきったのは、いつも通り烏丸凪だあぁああああ!!!


Face_nagi

【凪】

手首攣ったわ


Face_noname

【細橋】

そして2位は、意外にもッ、いつも観客側に回っていた銘乃譜已ちゃんだあぁああ!!! 普通に上手かったあぁあああ!!


Face_fui

【譜已】

こ、怖い……火山、怖い……火山灰で何も見えない……


Face_noname

【細橋】

3位は、レースよりもツッコミで忙しかった井澤謙一だぁああああ!! 観客からのブーイングにも動じない、見本とすべき安全運転だったあぁあああ!!


Face_kenichi

【謙一】

ダメージブーストって……何……(←疲労困憊)


Face_noname

【細橋】

そしてびりっけつは、一番威勢の良かった二邑牙奏ーー!! 予定調和あぁああああああ!!


Face_noname

【客】

「「「うおぉおおおおおおあぁあああああああ!!!」」」


Face_so

【奏】

ぅぁ~~~……めがまわるぅ……やっぱりレースは酔ってダメだぁぁあぁ……


 じゃあ何で挑んだ? とかいう簡易なツッコミを即座に打つ体力も残ってなかった謙一を差し置いて、次のゲームが始まる。


 選択武器豊富なガンシューティングである。


Face_kenichi

【謙一】

これも4人型かぁ……譜已ちゃんにぶつけないよう注意しないと


Face_fui

【譜已】

わ、私も、気をつけます


Face_kenichi

【謙一】

ていうかガンシューティングとか奏のテリトリーじゃねえか


Kenichi

 歓迎祭の時のあの超精密乱射に対抗する術が思いつかない。


Face_nagi

【凪】

手首痛いんだけど


Face_so

【奏】

あっれー? 自信無いから言い訳~?? まー仕方無いよねぇ、これどう考えても私勝っちゃうし~


Face_nagi

【凪】

ひねり潰してあげる


Kenichi

 何であんな散々な負け方をした直後にこんな自信満々に挑発できるのかが分かんないが、そんな挑発に簡単に乗る凪である。
 普通なら仲が悪いようにも見えるが、いっそ仲が良いとしか思えなくなるのも不思議なもんだ。


Face_noname

【細橋】

さあ続いてのゲームは、あの一世を風靡しアニメ化もしかけた「モンクレボリューションズ」の世界観を踏襲した、「GEDATSUSHOT」だ!! ルールは至って簡単、出てくるゾンビを撃って撃って撃ちまくれ!!


Face_kenichi

【謙一】

それ世界観踏襲する意味なくないか……?


Kenichi

 ていうかまたモンクかよ!! ミラクルだな!!
 そしてゾンビ撃つってことはゾンビ化した主人公撃つってことだよねコレ!! 制作チームの頭どうなってんだよ!!


 疑問は絶えないが、考える必要もなく撃ちまくるゲームの始まりである。
 結局ダイジェストである。


Face_noname

【細橋】

タイムアーーーップ!!! 結果発表ぉおおお!!


Face_noname

【細橋】

案の定!! 一位、烏丸凪いぃいいいいいい!!! 瞬間的な反射神経が他の追随を許さずモンクの頭を撃ち抜いたーーー!! ハンドマシンガンなのに精密射撃だったーー!!


Face_so

【奏】

ま、負けた……


Kenichi

 自分のテリトリーでボロ負けしてるじゃねえかあああ!!
 しかも精密射撃まで披露されてプライドずたぼろ!!


Face_noname

【客】

さっすが凪ちゃんだぜ……ただ眼光が痛くて怖いだけじゃなくて、そもそも眼力が凄え……!! 動体視力も人間卒業してやがる!!


Face_noname

【客】

へっ……伊達メガネは伊達じゃねえ、ってか


Face_kenichi

【謙一】

いや、伊達メガネは伊達だから伊達メガネじゃ――ってお前のソレ伊達メガネだったの!? あ、ホントだただのプラスチックじゃん!? うっす!?


Face_nagi

【凪】

メガネ返しなさいよ


Face_noname

【細橋】

撃破数同じにより同率二位は井澤謙一と銘乃譜已ちゃん! 一位が仕事しすぎててやることがなかったーー!!


Face_fui

【譜已】

凪ちゃん、このゲームホントに得意だよね……


Face_kenichi

【謙一】

だったら何で奏はあんな自信満々にコレで挑んだんだ……?


Face_fui

【譜已】

これで負けたら、もう奏ちゃん何をやっても勝てないからって……


Kenichi

 何かよく分かんないけど、相当追い込まれてるっぽかった。


Face_kenichi

【謙一】

でもまたコイツ最下位じゃん!!


Face_noname

【細橋】

その通り!! びりっけつ二邑牙奏ーー!! 予定調和あぁああああああ!!


Face_noname

【客】

「「「うおぉおおおおおおあぁあああああああ!!!」」」


Face_so

【奏】

……………………


Face_kenichi

【謙一】

おっとコレはもう実質集団虐めじゃねえか!? 何この冨士美店!?


 この後も果敢に奏は宿敵凪にゲームを挑むものの――


Face_so

【奏】

うららららららら百烈拳バリアーーーー!!!(←両手スマッシュを振り回す)


Face_nagi

【凪】

…………(←スマッシュ一振り)


Face_noname

【細橋】

ゴォオオオオオオル!!


 エアホッケー対決では凪のゴールに一点も入れることできず(というかオウンゴールのオンパレードで)大敗。


Face_so

【奏】

ここだ!! ……ってちょっとこのクレーン貧弱ぅぅぅぅ!!!


Face_nagi

【凪】

要らないから譜已、あげる


Face_fui

【譜已】

あ、ありがとうございます……えへへ……(←嬉しい)


Face_kenichi

【謙一】

ダイダイイソカイメンの縫いぐるみなんて初めて見た……てかただの柔らかい塊にしか見えない!!


 クレーンゲーム対決では凪から数点譜已にプレゼントされ、その度に譜已が喜んで会場が和んでいた。ここに奏の存在感は皆無に等しかった。


Face_noname

【細橋】

叩いて被ってじゃんけーん――


Face_noname

【細橋】

ぽおぉおおおおおおおおおおおおおおおんnnnnn!!!!


Face_so

【奏】

負け、早くヘルメッ――グボォ!?


Face_nagi

【凪】

貴方いつもチョキ、グー、チョキの順番ね


Face_fui

【譜已】

奏ちゃん……パーも、出してあげようよ……


Face_kenichi

【謙一】

ていうかコレは金出すもんじゃねえだろ!?!?


 ラストゲーム・叩いて被ってじゃんけんぽんで凪が顔面横からハンマーをスイングしたのがトドメとなり、今回の対決は終了した。


Face_noname

【細橋】

ウィナー――烏丸凪ぃいいいいいいい!!! 景品は特にないけど、おめでとぉおおおおお!!!


Face_noname

【客】

おめでとう(←拍手)


Face_noname

【客】

おめでとう(←拍手)


Face_noname

【客】

おめでとう(←拍手)


Face_noname

【客】

おめでとう(←拍手)


Face_noname

【客】

おめでとう(←拍手)


Face_nagi

【凪】

もう充分遊んであげたわ。行くわよ、譜已


Face_fui

【譜已】

あ、う、うん……


 勝手に集まっていた野次には目も暮れず、凪は譜已を連れてゲームコーナーから歩き去って行った。


Face_kenichi

【謙一】

……何あの後ろ姿、かっけえ……


Face_so

【奏】

ぅぅぅ……また、譜已ちゃんを、とられた……


Face_kenichi

【謙一】

え? そういう対決だったの??


Kenichi

 ていうか全然話にならないじゃんお前……何で挑んだ……。


Face_so

【奏】

――次はッ!! 絶対!!


Face_so

【奏】

勝ーーーーつ!!!


Face_noname

【細橋】

そして本日最後の予定調和あぁああああああ!!! 二邑牙奏の客寄せ常連魂ブレイブハーツに、盛大な拍手をーーー!!!


Face_noname

【客】

「「「wwwwwwwww」」」


Face_so

【奏】

みんな……ありがとーーー!! 応援、ありがとねー!! 絶対、あの伊達メガネ、私倒してみせるからねー!!


Face_kenichi

【謙一】

……………………


Kenichi

 俺の後輩クラスメイトはちょっとしたアイドルだったんだなあ……。


Kenichi

 はあ……。


Kenichi

 帰りたいなあ……。


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