「特変」結成編4-5「頭痛(2)」

あらすじ

「取りあえず頭痛持ちってことにしてます」☆「「特変」結成編」4章5節その2。かなりな数の伏線を貼っちゃいます。回収するかは分かりません。テヘペロ

↓物語開始↓


Kenichi

 ――紅い景色。


Kenichi

 淡い感じじゃなくて、もっと、ベッタリとしたものだ。


Kenichi

 そう。
 このぐらい――


Face_noname

【???】

――にじゃ――


Kenichi

 刹那的な煌めき。
 散る火花。
 降り頻る優しい雨。


Kenichi

 ――馨しい秋。


Face_noname

【???】

――にじゃ――歌――作っ――


Face_noname

【???】

――れはな――くれはなれ――


Kenichi

 俺の、秋の印象は、そんなところだった。
 どうしてか?
 それは、不思議なことに、俺にも全然、分からない。


Face_noname

【???】

――娶るおつもりですか?


Face_noname

【???】

薄々解しておりましたが、穏仁おにいもを好みすぎではありませんか?


Face_noname

【???】

それはまだ良いにしても、多色ですか? うわー……


Kenichi

 俺は、何処に居るのだろう。


Face_noname

【???】

くれはなれ――


Face_noname

【???】

そがまことしき――くれはならば――


隕石モノクロ


Kenichi

 俺は、誰なのだろう。


Face_noname

【???】

――ぃちゃん――りー兄ちゃん――


Face_noname

【???】

ど…こ――り――


Kenichi

 痛い。


Kenichi

 冷たい。寒い。


Kenichi

 熱い――


Face_kenichi

【謙一】

…………


Kenichi

 ああ、そうか……。
 俺は――


Face_kenichi

【謙一】

頭痛持ち、だったな――



Kenichi

 気付けば、視界は明瞭になっていて……
 どうやらいつの間にかやり方を忘れていたらしい――上体を起こし、起きる。
 寝てたっぽいな……。


Face_kenichi

【謙一】

ん――でも、此処って――


Face_shiho

【志穂】

ハゲ


Face_kenichi

【謙一】

ハゲてねえ。って、ん?


Kenichi

 気持ちの良い芝生に気を取られていたが、どうやら俺以外の奴も此処に居たらしい。


Face_kenichi

【謙一】

……志穂、か……


Kenichi

 つまり此処は真理学園で……
 特変教室のベランダだろう。あとは、今までの経験則から、何があったのかは推理できる。


Kenichi

 だが、その前に目撃者にちゃんと釈明しておかないとな……。


Face_kenichi

【謙一】

お前の他に、俺が倒れたとこを見たのは?


Face_shiho

【志穂】

全員に決まってんだろうがハゲ


Face_kenichi

【謙一】

ハゲてねえ。そっか、全員か……


Kenichi

 ってことは、乃乃にもか……。
 完全無防備だったわけだが、どこかイタズラはされてないだろうか。軽く自分を確認する……。


Face_kenichi

【謙一】

大丈夫、そうだな……


Face_shiho

【志穂】

全然大丈夫そうに見えねーんだけど。夏にしても汗多過ぎだ


Face_shiho

【志穂】

あといい加減自分の世界から戻って私と会話しろハゲ


Face_kenichi

【謙一】

ハゲてねえ。まぁ、そうだわな。ただ、悪いんだけど……


Face_kenichi

【謙一】

覚えてないんだよね。俺一体どのタイミングで倒れたのか……その手前の記憶も


Face_shiho

【志穂】

……どういった症状だ


Face_kenichi

【謙一】

頭痛


Face_shiho

【志穂】

その奥を訊いてんだ。単なる頭痛で立ってもいられなくなって、そのままぶっ倒れて1時間も意識飛んで、ちょっと記憶も飛んでるとか、納得できねえ


Face_shiho

【志穂】

私はそこまででもなかったが、譜已やら奏やらは相当に心配している。お前は、その症状に対して私たちに説明する責任がある


Face_kenichi

【謙一】

まったくの正論だとは思うが、俺は頭痛としか云いようがない


Face_kenichi

【謙一】

明確に言葉にできる症状はそれだけで、俺がどうして苦しんでたかとか、そういうのはもう殆ど忘れてて不明瞭だ。だから、俺にも何がどうなってんのか分からない


Face_shiho

【志穂】

……病院は


Face_kenichi

【謙一】

かかったことがない・・・・・・・・・


Face_shiho

【志穂】

……面倒くせえな、ったく……


Kenichi

 ……悪い。


Face_shiho

【志穂】

一応、光雨に人体スキャンもしてみたが、特に分からなかった。ありったけの優海総合病院の医療記録を光雨に同期して検索かけたのに、そのどれとも類似しなかった


Face_ku

【光雨】

お手上げだったの~


Face_kenichi

【謙一】

光雨……居たのか……


Face_ku

【光雨】

でも、診療費はしっかり貰うの~。元気になってからでいいの~


Face_kenichi

【謙一】

ブレないよなお前は


Kenichi

 摩訶不思議な光の塊のダメイドがふわふわと俺の周りを浮いている。


Kenichi

 何となく、その小さい頭を撫でてみた。


Face_ku

【光雨】

むっ……何なの~?


Face_kenichi

【謙一】

診療費


Face_ku

【光雨】

食べ物がいいの~……


Kenichi

 と文句は漏らしつつも、逃げずに俺の手を受け入れている光雨だった。


Face_ku

【光雨】

マスター、お体大丈夫なの~?


Face_kenichi

【謙一】

まぁ、いつも通りならな。発症した時は、めっちゃくちゃ苦しい記憶があるんだけど、ソレ終わったら何だったっけってなるぐらい平気なんだよ


Face_kenichi

【謙一】

迷惑かけたな、ごめん光雨


Face_ku

【光雨】

……クーは、マスターのメイドだから、マスターの世話をして当然なのー


Kenichi

 日頃の光景を見るに、そういう認識をしていたという事自体にめっちゃ驚きなのだが、どうにも傍若無人も今若干抑えてる感じがするので、それに感謝していよう。


Kenichi

 ……さて……


Face_kenichi

【謙一】

野郎共は?


Face_shiho

【志穂】

教室なか


Face_kenichi

【謙一】

んじゃ、此処暑いし、さっさと事情説明に入りますか……


Kenichi

 どう話したもんかな……。



Face_fui

【譜已】

……!


Face_so

【奏】

あ――!


Face_kenichi

【謙一】

……おう……


Kenichi

 クーラー効いてて気持ちいい……。


Face_so

【奏】

ケンパーイ心配してたんだよー!!


Face_kenichi

【謙一】

悪かったな。でも心配してたという割には皆のんびりアイスを堪能してたみたいだな


Face_saya

【沙綾】

だってやることなかったんだもん


Kenichi

 まぁ変に気を遣われるよりはずっとマシだが。


Face_joe

【情】

……結局何だったんだ


Face_shiho

【志穂】

分からん。コイツ自分の症状分かってねえ


Face_kenichi

【謙一】

取りあえず頭痛持ちってことにしてます


Face_nono

【乃乃】

アレを頭痛の一言で片付けるおつもりですか


Face_kenichi

【謙一】

まぁ、意識飛んでるもんなぁ……っと、そうだ乃乃、俺が倒れてる間に何かイタズラしてねえよな?


Face_nono

【乃乃】

……貴方は私を何だと思っているんですか……


Face_kenichi

【謙一】

いや、核弾頭って思ってるけど……


Face_nono

【乃乃】

……………………


Kenichi

 何でか乃乃さん不機嫌になってしまった。
 取りあえず地雷みたいなものを見事に踏んでしまったということで間違いないっぽい。


Face_nagi

【凪】

……譜已やゆでだこは、貴方が苦しんでいるのを見て死ぬんじゃないかって心配してたわよ。実際私もコイツ死ぬかもって思ったし


Face_kenichi

【謙一】

因みに俺、その時のことも記憶飛んでるんだけど、何か話し合いしてたんだっけ


Face_mikan

【美甘】

べ、別に何も重要なことは……夏休み何しようってぐらいしか……ていうか、記憶も無いのか……?


Face_kenichi

【謙一】

……藤間の様子見に行って、帰ってきて……そっから先は覚えてないな。教室とかいつ入ったんだっけな


Face_mikan

【美甘】

入院した方が良いんじゃ……


Face_shiho

【志穂】

……………………


Face_kenichi

【謙一】

ま、気が向いたらな。最近はコレ、全然無かったのにな……一年振りくらいか……


Face_so

【奏】

……てことは、また、ケンパイが突然ぶっ倒れるとこ見るかもってこと……?


Face_fui

【譜已】

…………


Face_kenichi

【謙一】

ごめんな、譜已ちゃん。びっくりさせて(←撫でる)


Face_fui

【譜已】

あ……はい……


Face_fui

【譜已】

……その……絶対……


Face_kenichi

【謙一】

ん?


Face_fui

【譜已】

絶対――居なく、ならないで――


Face_noname

【奏&凪】

「「――!!」」


Face_nono

【乃乃】

……譜已さん……?


Face_joe

【情】

ん――


Kenichi

 見上げる、瞳。
 懇願の顔。


Kenichi

 俺を心配しているのであろう、譜已ちゃんに対し――


Face_kenichi

【謙一】

……あ、ああ……


Kenichi

 何でか、俺は答えるのに少しどもった。


Face_saya

【沙綾】

……兎に角、リーダーも夏休みはしっかり療養しなさいってことね。奏もあんまり遊びに誘わないこと。疲れすぎてるのよきっと


Face_so

【奏】

あ……うん……そうだね……


Face_kenichi

【謙一】

療養て


Kenichi

 まぁ、外に駆り出されないに越したことはないけども……。


Face_so

【奏】

ケンパイ、ほんと、お大事にね……? あと今まで勝手知らずに暴れてごめんなさい……


Face_kenichi

【謙一】

今更そしてこのタイミングで謝られましても!? 今日のこと忘れてくれていいからな、変な気回さないでね!?


Face_saya

【沙綾】

リーダー調子取り戻してきたところで、はいかいさーん


Kenichi

 沙綾が手を叩いて、こっちは相変わらずの勝手さで、強引に場を散らす。


Kenichi

 ……ある意味、助かったかもしれない。


Face_mikan

【美甘】

け、謙一、本当休んでな……?


Face_so

【奏】

うぅぅケンパーイ……(←涙目)


Face_nono

【乃乃】

…………(←不機嫌且つ落ち込み)


Face_shiho

【志穂】

特変的にすげー空気


Face_kenichi

【謙一】

どうしたらいいと思うよ、情


Face_joe

【情】

早く帰れ


Kenichi

 ソレが一番良い気がしたので、皆に見守られつつも、そそくさと教室を後にした……。


Face_kenichi

【謙一】

ああもう……最悪な、夏休みの始まり方……


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