「特変」結成編1-3「初授業(2)」

あらすじ

「学びも意味も、在るんじゃねえ。自分で創っていくもんだろ」スタジオメッセイのメイン作品『Δ』、「「特変」結成編」1章3節その2。睡魔と怨嗟のモーニングコールから帰ってきた謙一くん達は、初めての授業を迎えます。そして現れたニッコニコな授業主任の方針を聞いて、混乱する特変。謙一くんが定める「特変の授業」の方針とは――

↓物語開始↓

Stage: 特変教室

AM9 00

Face_eita

【訓舘】

訓舘よみたて嬰太えいたです


Face_kenichi

【謙一】

あ、はい……


…………。
…………。
…………。


Face_kenichi

【謙一】

……え!? 何この空気!?


Kenichi

何をどうしたらいいの!?


Face_joe

【情】

ぐぉー……


Face_shiho

【志穂】

すぴぃいいいい


Face_saya

【沙綾】

この二人はまだ寝足りないようねぇ


Face_mikan

【美甘】

(初授業普通寝るか?)


Face_eita

【訓舘】

なるほどなるほど、コレが特変ですか……ふむふむ


Face_kenichi

【謙一】

え、何すか、何分析してるんですか……?


Face_eita

【訓舘】

いえ、何も考えてませんが


Face_kenichi

【謙一】

ふむふむとか云ってましたよね!?


Face_eita

【訓舘】

云いたかっただけです


Face_kenichi

【謙一】

……………………


Kenichi

何だろうな、真理学園の教師も変な人多いのかな。
考えてみればトップがあの裸エプロンだからな。


Face_eita

【訓舘】

では井澤くん、私はどうすればよいでしょう


Face_kenichi

【謙一】

え、俺? 何で? 先生が勝手に進行してくれれば、俺ら附いて行きますよ?


Face_eita

【訓舘】

これは私の直感ですが、ソレでは即座にクラス崩壊しないかなと


Face_kenichi

【謙一】

……………………


謙一は何となく情の方向を向いた。


Face_joe

【情】

……あ?


起きてた。


Face_kenichi

【謙一】

……俺に一体何を求めてるんですか先生は


Face_eita

【訓舘】

私は何も求めていませんよ。ただ、貴方の言葉には耳を傾けるというだけのことです


Face_kenichi

【謙一】

……じゃあ、取りあえず自己紹介を


Face_eita

【訓舘】

皆さんの?


Face_joe

【情】

つまらん


Face_saya

【沙綾】

パース


Face_nono

【乃乃】

自己紹介するとなれば、私はまた落とし穴を作らねば


Face_kenichi

【謙一】

すいませんけど先生だけお願いします


Kenichi

そろそろ空か穴かに叫びたくなってきたよ亜弥。


Face_eita

【訓舘】

先ほど名前は示しましたが、訓舘嬰太と申します。特変授業主任に赴任しました故、皆さんと最も関わる教員の一人となりましょう


Face_eita

【訓舘】

担当教科は文学、数学、理科、芸術ですね。ご承知おきを


Face_kenichi

【謙一】

めっちゃ担当してるじゃないすか


Face_saya

【沙綾】

教科担任制じゃないのね。まぁ、特変と関わりたい教師も居ないでしょうから、その方が学園的には好都合なのかしら


Face_so

【奏】

C等の時みたいな配当だよねー。懐かしー


Face_so

【奏】

……あの頃は良かったなぁ……テストとか笑い飛ばしてたあの頃……


Face_eita

【訓舘】

しかしながらその頃とも異なる調子で授業は過ごそうと思うのです


Face_kenichi

【謙一】

と、いいますと?


Face_eita

【訓舘】

私は特に授業の指示をしません


Face_kenichi

【謙一】

ふぁっ!?


Kenichi

そこまで自由にしちゃうの!?
何この人、にこにこしながら革命派!? 何云ってんだろ俺も!?


Face_joe

【情】

……ほう


Face_eita

【訓舘】

一方的な講義は、このクラスには向かないでしょう。これも私の直感でしかありませんが


Face_eita

【訓舘】

であれば、好きなようにさせた方が皆さんも私も楽できる、ということです


Face_kenichi

【謙一】

俺の負担激増しますけどね!!!


Kenichi

コイツら野放しとかヤバいでしょ!


Face_so

【奏】

ひゃっほう、遊び放題だー!


Kenichi

ホラもうこんな事云い出す始末!!


Face_fui

【譜已】

え……えぇぇぇぇぇぇぇ……


Kenichi

譜已ちゃん逆に怖がってるし! ヤダほんと良い子! あの母親の娘と思えない!


Face_eita

【訓舘】

まぁ、私のスタンスはそういうわけですので、後はクラスリーダーたる井澤くんにお任せします


Face_kenichi

【謙一】

うわあぁあああああああ……


えげつないプレッシャー、一寸先は闇、綱渡り……これらの言葉が一斉に身に染みた謙一だった。


Face_mikan

【美甘】

………………


総てを委ねられた、ただの男子生徒。


その哀れとも云うべき横顔を、こっそり美甘は見詰めていた。


Face_saya

【沙綾】

…………


Face_nono

【乃乃】

…………


Face_joe

【情】

…………


というか志穂以外の面子が、謙一に注目していた。


学校生活の半分くらいは授業でできている。つまり、今彼が下す判断は特変の生活の半分を方向付けるもの。


Face_eita

【訓舘】

さあ、どうしますか? 井澤くん


謙一はそのことも理解していた。そこに存在するも読み取っていた。



Kenichi

つまり……


Kenichi

俺は皆に、測られてるわけだ。特変を管理する者としての器かを……


Kenichi

唐突に来たな、瀬戸際……逃れようもない、試練。衒火も起きてやがるし。


Kenichi

特変の授業を……どうしたいか、か。


Kenichi

俺は、皆のことをまだ、全然知らない。皆がどうしたいのかも知ってるわけない。
特変に求められる授業の在り方なんて、その状態で導けるわけがない。


Kenichi

…………ただ。


Kenichi

それでも、俺は――


Face_kenichi

【謙一】

……やりますよ


Face_eita

【訓舘】

何をですか?


Face_kenichi

【謙一】

授業に決まってるでしょ。やるんです授業を


Kenichi

――そう答えた。


Face_so

【奏】

えーーーー!!!?


まず反応したのは奏だった。見ての通り残念そうである。


Face_so

【奏】

何でーー! パイセン、その見た目で勉強好きなの!?


Face_kenichi

【謙一】

見た目関係ねえだろ。てかそんな遊んでそうに見える?


Face_shiho

【志穂】

遊んでるというよりだらけてそうだな


Face_kenichi

【謙一】

秋山、起きてたのか


Face_shiho

【志穂】

何か、頭にぶつかってきた気がしてなー……あー眠


Face_mikan

【美甘】

…………(←消しゴム投げて起こした犯人)


Face_kenichi

【謙一】

確かに俺は面倒臭がり屋ではあるが……


Kenichi

それは相当な贅沢であることを知っている。
知りたくとも、授業を受けたくとも、学校へ行きたくとも、それが叶わない人が居ることを知っている。


Kenichi

俺は、学び続けなければならない。


Kenichi

亜弥の兄さんとして、亜弥が兄さんを必要としなくなる時まで……


Face_kenichi

【謙一】

いいじゃねえか別に。暇を持て余すよりは有意義にしようぜ


Face_kenichi

【謙一】

折角フリーダムに授業時間を使えるんだ。授業やろうぜ


Face_joe

【情】

――その時間に意味があるのかよ


衒火情が反応をした途端、教室の空気が急激に下がった感覚を謙一は抱いた。


即座に謙一は応えた。


Face_kenichi

【謙一】

俺はただの学生だぜ? んな哲学いきなりぶっ込んでくんなよ


Face_saya

【沙綾】

逃げたわね


Face_kenichi

【謙一】

授業をやるってのも少なくとも一年間の方針を1分で思いついた方針だ。流石にコレそのまま決定事項は奏みたいに不満が残ろう


Face_so

【奏】

ブーーブーー!!


Face_nagi

【凪】

子豚が居るわね


Face_so

【奏】

あ゙?


Face_fui

【譜已】

そ、奏ちゃん抑えて抑えて……!


Face_kenichi

【謙一】

だから、せめて一週間ぐらいは考えさせろ。特変という枠自体もいまいち実感できてねえんだ、時間をくれ


Face_joe

【情】

結局テメエは何を――


Face_kenichi

【謙一】

だが一つ


情の言葉を遮り、謙一は教室を、整列のなってない8つの机とその所有者を見渡し、続けた。


Face_kenichi

【謙一】

一つ云えることは、学びも意味も、在るんじゃねえ


Face_kenichi

【謙一】

自分で創っていくもんだろ


Face_so

【奏】

…………


Face_fui

【譜已】

…………


Face_nagi

【凪】

…………


Face_mikan

【美甘】

…………


Face_nono

【乃乃】

…………


Face_kenichi

【謙一】

俺は、これが真実だと確信してる。どうしてもそうは思えないって奴は……


Face_kenichi

【謙一】

悪いけど、管理者と最高に相性悪いってことで、我慢してくれ


Face_shiho

【志穂】

……オーケー


そこから即行で反応したのは志穂であった。


Face_shiho

【志穂】

おめーの方針に従う。取りあえず一週間も待ってやる


Face_mikan

【美甘】

……!


Face_saya

【沙綾】

あら、随分と判断早いのねぇ


Face_shiho

【志穂】

どっちでもいーだろ、合わなきゃ寝てればいーんだよ


Face_kenichi

【謙一】

いや、お前ホント寝過ぎだと思うんだけど……衒火より寝てるよね日中


Face_shiho

【志穂】

だったら退屈させんなー。私を寝させない授業運営しろー


Face_shiho

【志穂】

……ま、今の教育哲学に則るなら、私も運営者の一人になるわけだが


Face_joe

【情】

つーかこの場の全員が授業をやる側に立つわけか


Face_saya

【沙綾】

……衒火くん?


その次に反応したのが、情であった。


Face_joe

【情】

一週間だ。一週間で決めろ。延ばしは認めねえ


Face_kenichi

【謙一】

お前は俺の方針に従うわけ?


Face_joe

【情】

それを決めるのも一週間後だ


Face_kenichi

【謙一】

なるほどね


Kenichi

取りあえず首の皮一枚繋げた感じってことでいいのね。


Face_so

【奏】

ま、まじ? 衒火パイセンがソッチに附くの?


Face_nono

【乃乃】

正確には一週間後、という点で同意したに過ぎませんよ


Face_nono

【乃乃】

因みに私もソレで


Face_saya

【沙綾】

同じく


Face_nagi

【凪】

落としどころね


続いて乃乃、沙綾、凪が情同様の反応をする。


Face_joe

【情】

群がんじゃねえよ


Face_nono

【乃乃】

情さんの考え方と偶然一致しただけです。まぁ触発された感じも否めませんが……


Face_saya

【沙綾】

私は巻かれるタイプだから


Face_fui

【譜已】

じゃあ、私も……


Face_so

【奏】

譜已ちゃん!?


Face_fui

【譜已】

井澤先輩を……信じたい、です


Face_kenichi

【謙一】

ありがとう


Face_so

【奏】

……堀田パイセンは?


Face_mikan

【美甘】

…………


「勝手にしろ」という旨の視線を謙一は受け取った。


Face_kenichi

【謙一】

あとはお前だけだな


Face_so

【奏】

ぐぐぐぐ……パイセンの云う、相性悪いタイプかもしれない……!


Face_kenichi

【謙一】

そんな勉強嫌いなのお前?


Face_so

【奏】

興味無いんですよー割り算とかー九九とかー


Face_kenichi

【謙一】

ちょっと待て、それB等のレベルですらないぞ


Face_fui

【譜已】

えっと……奏ちゃん、数学苦手で……凄く苦手で……


Face_kenichi

【謙一】

よし、満場一致で一週間様子みまーす!


取りあえずの方針が確定した。


Face_so

【奏】

ってえーーーー!?!? 私だけ強行無視!?


Face_kenichi

【謙一】

お前、ソレは日常生活に支障あるレベルだからな! 最低限は計算できるようになれよ!?


Face_so

【奏】

皆そう云う……譜已ちゃんですら私の計算力には般若はんにゃの顔だよ……


Kenichi

譜已ちゃんの般若顔とか凄えな。ちょっと見てみたい。


Face_kenichi

【謙一】

お前の日常の質を向上させるためだ。皆で奏の勉強をみます


Face_nagi

【凪】

それが一番無駄な時間だと思うの


Face_fui

【譜已】

ま、まあまあ……


Face_saya

【沙綾】

さて、ここで一つ問題を取り上げましょう井澤くん


Face_kenichi

【謙一】

ん?


Face_saya

【沙綾】

今数学の話題が出たし、そもそも今数学の時間なわけだから、無視しちゃいけないわよね


Face_saya

【沙綾】

一週間後どうなってるのかは分からないけど……数学の時間に数学を勉強する場合、このクラスだと困難よ


Face_kenichi

【謙一】

ああ……そうだな、確かに云われてみれば


Face_saya

【沙綾】

貸し一つね☆


Face_kenichi

【謙一】

今ので!?


Kenichi

コイツに貸しとか作りたくねえ……


Face_so

【奏】

えっと、どういうこと?


Face_kenichi

【謙一】

つまりだ、こうして俺らはA等1年に括られたわけだが、本来なら二邑牙と譜已ちゃんはB等3年だったわけだ


Face_kenichi

【謙一】

学力的な意味で、学年差というみぞがあるんだよ俺たちには


Face_so

【奏】

あー……本当だ。そういえば私たち飛び級したんだった


Face_fui

【譜已】

実力、無いのに飛び級しちゃった……


Face_kenichi

【謙一】

その辺も、一週間で見ていこうと思う。てか、本来だったら皆学年どうなってたんだ?


Face_saya

【沙綾】

私と堀田さんと衒火くんと烏丸さん、ついでに秋山さんは貴方と同じ。支障無い組ね


Face_shiho

【志穂】

オイ何で今私ついで扱いされたんだゴラ


Face_saya

【沙綾】

ただ、衒火くんって多分もうちょい上の年齢よね


Face_joe

【情】

……正確なとこは俺も知らん。どうでもいい


Kenichi

……あまりその辺は突っ込まない方がいいんだろうな。てか突っ込みにくい。


Face_saya

【沙綾】

で、佐伯さんは1学年上、だったのかしら?


Face_nono

【乃乃】

……色々ありまして、まぁ端的に云えば留年みたいなものです


Face_nono

【乃乃】

落ちこぼれですから、気兼ねなく接してくだされば


Face_kenichi

【謙一】

逆に気を遣う云い方すんなし


Kenichi

結果として同じであることは変わらなかったってことか。何て云うか、一番複雑な身分なのかもしれない。
……そんな細かいことを気にする必要無いとも、核弾頭なんて呼ばれてる平常姿から思わされるが。


Kenichi

兎も角、学年差については大体把握した。じゃあ、残った時間を使って……


Face_kenichi

【謙一】

先生、数学関係の教材とか何か持ってきてます? 持ってきてますよね?


Face_eita

【訓舘】

一応二邑牙さんのレベルに合っていそうな数学の標準問題集を持ってきてはいますが


Face_kenichi

【謙一】

一冊だけか……特にプリント無しっと


Kenichi

ホントこの人、スケジュール管理とか大丈夫なのか……?


Kenichi

まあいいや。取りあえず……うーん……


パラパラと軽く問題集全体を流し見る謙一。


Face_shiho

【志穂】

ん……


Shiho

“手つき”が、慣れてる。


Shiho

アイツ……


Face_kenichi

【謙一】

……よし。じゃあ残りの時間で軽く学力検査と行こうじゃねえか


Face_so

【奏】

は!? 結局やるの!?


Face_kenichi

【謙一】

お前は必修だー。そうだな……10問、今から黒板に書き写す。各自ノートか何かに解答してくれ


Face_saya

【沙綾】

アルスで問題文スキャンして、まとめてに載せた方が効率良いわよ?



Face_kenichi

【謙一】

悪い、俺アルス持ってねえんだ


Face_saya

【沙綾】

………………………。


Face_saya

【沙綾】

………………………。


Face_saya

【沙綾】

………………………。
……――はあぁああっ!?


Face_kenichi

【謙一】

俺お前がそんな大声出すの初めて聞いたかもしれない


Kenichi

そんな驚くことなのかな。


Face_saya

【沙綾】

う、嘘でしょ、現代人でしょ? アルスぐらい持ってるでしょ……?


Face_kenichi

【謙一】

逆に皆、持ってるのやっぱり?


Face_fui

【譜已】

そ、それは……


Face_so

【奏】

当然というか……


Face_nono

【乃乃】

逆に無いと就職とかできませんよね


Face_joe

【情】

ごくたまに見かけるぞ。テメエみたいな原始人


Face_kenichi

【謙一】

原始人呼ばわりですかそうですか


Kenichi

仕方ねえだろ持てないんだから。


Face_shiho

【志穂】

……………………


Face_kenichi

【謙一】

ま、そういうことだから原始人らしく黒板にチョークでいくからなー


謙一は黒板を縦3段分けにして3,4,3の配当で問題文を書いた。


丁寧ていねい、且つ快速で白いチョークの文字列が完成した。


Face_saya

【沙綾】

はっや……


Face_kenichi

【謙一】

因みにだが皆さん、流石に筆記具とノートはあるよな?


Face_nono

【乃乃】

謙一さん、すみません、手元にロウソクとガスバーナーとネズミ花火しかありません


Face_kenichi

【謙一】

ホント何しに来たんだ


Kenichi

そこにマッチが揃ってたら今頃阿鼻叫喚あびきょうかんが起きてたかもしれない。


Face_shiho

【志穂】

ぶっちゃけノート使うの勿体ねー


Face_kenichi

【謙一】

授業で使わずいつ使うんだよ


Face_shiho

【志穂】

訓舘さんの授業以外は講義形式かもしんねえだろ。んで、授業ノート提出とかあったり


Face_shiho

【志穂】

そこで使えばいい。こんなとこで無駄に一冊使う、てかペン使うのは非効率過ぎだろが


Face_kenichi

【謙一】

これもれっきとした授業なんだが。無駄じゃねえ。途中式メモるのに必要だろうが


Face_shiho

【志穂】

は? それこそ要らねえだろ


Face_kenichi

【謙一】

え?


Face_shiho

【志穂】

え?


Kenichi

……………………。


timeskip


Face_kenichi

【謙一】

さて……答案回収しましたが……


ちなみに前提事項として、この十問は決して無作為むさくい抽出ちゅうしゅつされたものではない。
謙一の感覚的に、B等レベル数学でエッセンスが詰められていると思われてる中心テーマ――
「関数」と「図形」をそれぞれ5問、難易度も上昇していくように選び抜いたのである。
標準問題集にも応用レベルの問題は割と掲載されている。抽出された中では各テーマ5問目がソレである。


よって最低限必要な数値的学力というのを標準レベルと設定した謙一が望むのは、その2問以外が解けていること。
そして結果は、次のようであった――



Face_kenichi

【謙一】

二邑牙と堀田酷い!!!


Face_so

【奏】

わざわざ云わなくてもいいじゃん!!?


Face_nagi

【凪】

確かに、分かりきっていたことを口にするのは無駄という外無いわね


Face_so

【奏】

そういう意味じゃなくて……!! いきなりの公開処刑は辛いものがあるよ!!


Kenichi

確かに二邑牙は分かりきっていた。九九でつまづいてるんだから関数全滅は正直予想できていた。
図形はまだマシなのか、2問撃破している。とはいえお世辞が裸足で逃走するレベルなのは変わらない。


Kenichi

一方の堀田は、関数図形共に2問……


Kenichi

まだマシなんじゃないかと思うか? ところが解答用紙を見たら話は変わってくる。
ハッキリ云って、この痕跡こんせきは手付かず……即ち考える土台を持っていない状態。
二邑牙の用紙には足掻いた痕跡があったが、それが堀田には無い。恐らく知識が頭に入ってない。


Kenichi

二邑牙はB等第3学年として、堀田はA等第1学年として、ヤバス!! という結果だった。


Face_mikan

【美甘】

…………(←落ち込んでる)


Face_kenichi

【謙一】

…………


Kenichi

二邑牙はまだ教えられると思うが、堀田はそもそもコミュニケーションができない状態。


Kenichi

とりつく島がないわけじゃないが……大きい壁を見つけちまったなぁ……


Face_so

【奏】

てか、他の人は!? 佐伯パイセンとか留年なんだよね!?


Face_kenichi

【謙一】

仲間見つけようとすんなよ。まぁ平等を重んじてここは全員公開するとしよう


Face_kenichi

【謙一】

二邑牙は2正解。堀田は4正解。お前らガチで補習確定


Face_so

【奏】

何でこの人こんなに熱いのー……!?


Face_kenichi

【謙一】

譜已ちゃんは7正解。及第点だから大丈夫だ


Face_fui

【譜已】

ふ、ふう……


Face_kenichi

【謙一】

んで……


Face_kenichi

【謙一】

衒火、烏丸、遠嶋、秋山――満点


Kenichi

しかも秋山に至っては、本当に紙とインク無駄遣いしたくないと折れなかったので……
俺に耳打ち口頭で全部答えてしまった。途中式とかスキップしまくってた


Kenichi

たまに居るんだよな、こういう天才バケモノが……


Face_kenichi

【謙一】

ちなみにだが、佐伯も満点だ


Face_so

【奏】

は……はあぁあああああああ!?!?


Face_nono

【乃乃】

巫山戯ふざけるべきでしたかね


Face_kenichi

【謙一】

寧ろずっとこの解答用紙のように真面目に生活しててほしいんだが……


Kenichi

正直俺も、驚いた。


Kenichi

留年組だしいっつも罰ゲーム道具弄ってるし、勉強してないから留年でもしたのかな、とか思ってたが……


Kenichi

シャーペンで刻まれた解答が物語る、安定性。
偶然でなく、確実に解答する力を佐伯は持っている。
恐らくは、中央大陸の大学附属も狙えただろう力を……


Face_so

【奏】

そ、そうだ! そもそもパイセンは!? 偉そうに指揮ってる井澤パイセンは如何いかがな学力!?


Face_fui

【譜已】

確か、ここの入試の筆記試験満点だったってお母さんが……


Face_so

【奏】

えぇえええ秀才ばっかこのクラス……


Face_saya

【沙綾】

偏差値考えたら、真理学園の秀才クラスとかあんま響き良くないわよねぇ


Face_kenichi

【謙一】

正直俺さ、お前らどこまで解けるのか限界見てみたいんだけど、いい?(←楽しそう)


Face_so

【奏】

やめて!! 格差を見せつけないで!! お慈悲をー!


Face_kenichi

【謙一】

努力する奴にしか慈悲は降らないぞ


Face_so

【奏】

何て冷酷な目!! これが資本主義で育った若者の実態か!!


Face_fui

【譜已】

年齢的に私たちの方が若者だよ……?


Face_eita

【訓舘】

ふふっ……そろそろ時間ですね


Face_kenichi

【謙一】

……あ、ホントだ


Kenichi

あと一分でチャイム鳴る。


Face_eita

【訓舘】

では、コレで終わりとしましょう。ひとまず、一週間、頑張ってくださいね


Face_eita

【訓舘】

といってもこの後すぐにまた会うでしょうが


Face_kenichi

【謙一】

主要3教科も持ってるもんなぁ……


Face_kenichi

【謙一】

あ、じゃあ前もって云っておきますけど、主要科目は全部確認テストと補習でいくつもりです


Face_eita

【訓舘】

承知しました。では、私の方で適当に問題集を持ってきましょう


Face_so

【奏】

も……



Face_so

【奏】

もうやだよおぉおおおおおおおお――!!!!


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