「特変」結成編1-10「森(4)」

あらすじ

「どうすればいいのか……それを見つけていくのが、真理学園なんだろ」スタジオメッセイのメイン作品『Δ』、「「特変」結成編」1章10節その4。光の通らない冨士の森を歩く謙一くん、志穂ちゃん、そして美甘ちゃん。自分の為にわざわざ一緒に遭難した二人への疑問が止まらなくなり、遂に美甘ちゃんは口を開きます。どうして彼女は孤独なのか。そして、そんな彼女に対して二人が紡ぐ言葉とは――。真理合宿エピソード、そして1章「調律章」は大詰めへ!

↓物語開始↓


Face_mikan

【美甘】

……ウチは


Face_shiho

【志穂】

――!


Face_mikan

【美甘】

独りが、良いって……ずっと、云ってるのに……


Face_kenichi

【謙一】

…………



flashback



Face_ami

【亜弥】

お帰り……なさい……


Face_kenichi

【謙一】

バカ野郎ォ!!!!


Face_kenichi

【謙一】

何でエアコンを付けない!? 何で扇風機を回さない!? 何で窓を冷蔵庫を開けない何も飲まない!?


Face_ami

【亜弥】

もう…しわけ……


Face_kenichi

【謙一】

謝るな! 自分のことだろう!?


Face_kenichi

【謙一】

バカ野郎……バカ野郎……


Face_ami

【亜弥】

……謙…一……様……?


Face_kenichi

【謙一】

もっと……自分を大事にしてくれよ……


Face_ami

【亜弥】

…………



flashback_return



Face_kenichi

【謙一】

……それは、もしかしたら嘘なんじゃないか?


Kenichi

……特に考えることもなしに。
俺はそんな、爆弾めいた返答を即座にしていた。


Face_mikan

【美甘】

――――


Kenichi

ダメだな。やっぱ乱暴過ぎる俺。
ちゃんと、しっかり選んでいかないと。


Face_kenichi

【謙一】

より厳密に予想すると、お前は確かに孤独でいる方が楽だと感じてるんだろう


Face_kenichi

【謙一】

その辺りはお前の云う通りなんだろうが……何だろうな……


Face_kenichi

【謙一】

お前の言葉には100%純度の一途な孤独愛が見られない、って感じか


Face_shiho

【志穂】

マジなんだソレ。もっと分かりやすく云えー


Kenichi

ですよね。


Face_kenichi

【謙一】

ソレができたら俺ももっと理解できてると思うんだけどなぁ……


Face_kenichi

【謙一】

でも、美甘のは多分そんな単純な説明で済ませちゃいけないんだと思う


Face_kenichi

【謙一】

お前の言葉には、矛盾感が見出せたとしても……ずっしりとした重みが備わってる


Face_mikan

【美甘】

…………


kenichiJudge


Face_kenichi

【謙一】

お前の心境を解説しようとは絶対に思わない。それはお前を冒涜ぼうとくするに等しいから


Face_kenichi

【謙一】

あくまで、お前を理解できていない故の予想なんだってことを予め云っておく


Face_kenichi

【謙一】

ただ、本気で孤独でいたいと思ってるガチな奴……そもそも孤独も共生も関係無い奴ってのは……


Face_kenichi

【謙一】

何というか、俺が近付いても手遅れなんだなってすぐ分かる


Kenichi

それでも、奇跡が起きたりもしてるんだが……


Face_kenichi

【謙一】

前に云ったこともあるかもだけど、俺はお前みたいな奴を、知ってる気がする。いや、アレはお前の上位互換だ


Face_kenichi

【謙一】

言葉が届かないんだ。どれだけ云っても、理解してくれなくてさ


Kenichi

まぁ……アレは理解しようとしなかったのでなく、理解できなかったんだ。
届かない――アレほどの絶望感は、そう簡単に忘れられない、かすみもしない。ただただ恐怖だった。


Face_kenichi

【謙一】

けど――昨日も云ったと思うけど、美甘は俺の話を聴いてくれるんだよ


Face_kenichi

【謙一】

理解してくれる……受け止めてくれる。考えてくれる


Face_kenichi

【謙一】

美甘は――俺たちに、手を伸ばしてくれるんだよ


Face_mikan

【美甘】

ッ――


Face_kenichi

【謙一】

死ぬかもしれないって時に手すら伸ばしてくれなかった奴とは違う


Face_kenichi

【謙一】

だったら俺は、美甘を助けることが手遅れではないんだって、確信できる


Face_shiho

【志穂】

……お前ホント自分勝手だな


Face_kenichi

【謙一】

悪いか? 俺だって特変の一端だぞ


Face_kenichi

【謙一】

それに、お前に云われたくないんだよそんなこと


Face_shiho

【志穂】

は?


Face_kenichi

【謙一】

美甘が落ちるってのを直感したのは俺が最初だ


Face_kenichi

【謙一】

けど、美甘が落ちるって気付いて俺以上の反射神経で即座に動いたのは、他でもなく志穂だ


Face_kenichi

【謙一】

どうしてお前は、助けようとしたんだよ


Face_shiho

【志穂】

…………私、自分勝手だし


Face_kenichi

【謙一】

よう俺――(←跳び膝蹴り鳩尾に直撃)


Face_shiho

【志穂】

何かムカつくから蹴らせろゴラァ……!


Face_kenichi

【謙一】

いやホントお前ッ言葉と行動の順番逆転しッ過ぎ……(←吐きそう)


Face_mikan

【美甘】

……………………


Face_shiho

【志穂】

……美甘?


ダメージを負っても背負うことのやめない謙一の背中で、美甘の顔には涙がよく目立っていた。


Face_shiho

【志穂】

顔赤いし……泣いてる。大丈夫か?


Face_mikan

【美甘】

……え――?


Face_kenichi

【謙一】

え゙、マジで……俺なんか、ヤバいこと云った……?


Kenichi

ていうか俺も泣きたい。吐きそう泣きたい。


Face_shiho

【志穂】

人のライフスタイルをズカズカ土足で荒らしといて今更何云ってんだおめー


Face_kenichi

【謙一】

んー……俺相当に不器用というか、ついつい言葉容赦ようしゃしない性格だからなぁ……


Kenichi

云いたいことは隠さないでほしいから、俺も云いたいことはなるべく口にするように心掛けてきた。ただでさえ優柔不断なとこがあるから、決めるべきものはしっかり決めて。言葉も、迷わないように。


Kenichi

……こうして本気で会話した相手って、もしかしたら二人目なんだろう。


Kenichi

ダメだな、女の子を泣かせる言葉ばかりを吐いてるのかもしれない俺。


Face_mikan

【美甘】

ぁ――ぁぁ――


Face_kenichi

【謙一】

……美甘


Kenichi

ホントだ、水を感じる。
とても熱い感情だ。
山を思うほどにたかぶった熱が、俺の首筋を、背中をはしる――



flashback



Face_ami

【亜弥】

お願い…します……!


Face_ami

【亜弥】

捨て…ないで……ください……!


Face_ami

【亜弥】

何でも、しますから……もっと、もっと勉学に励みますから……


Face_ami

【亜弥】

たくさん…関心を持ちますから……


Face_ami

【亜弥】

ずっと……収納に入ってますから……だから……だから――


Face_ami

【亜弥】

――私を……捨てないで……



flashback_return



Face_mikan

【美甘】

どうしたら――


Face_mikan

【美甘】

どうし…たら……ッ……ウチは……ッ!!?


Face_kenichi

【謙一】

……………………


Face_shiho

【志穂】

……………………


Kenichi

――眩暈めまい
思わず立ちくらみしそうになる。
それも、仕方無いと思う……なんせ、俺史上最大の封印したい過去が、突然フラッシュバックしてきたんだから――


Face_shiho

【志穂】

……オイ、謙一……?


Face_kenichi

【謙一】

悪い、ちょっとバランス崩した……


Face_shiho

【志穂】

…………


Shiho

……嘘つけ。


Kenichi

落ち着け、井澤謙一。
間違えるな。言葉を間違えるな。
伝えたいことを……適切に、伝えるんだ。
一旦、目を閉じて……呼吸を、落ち着けろ――


――その時。


灰个の糸断絶


プツリッ。


謙一の耳に、何かが切れる、音が入った。


Face_kenichi

【謙一】

――?


Kenichi

何だ、今の――


Face_shiho

【志穂】

……丁度いいんじゃね


Face_mikan

【美甘】

ヒグッ……ッ……え……?


Face_kenichi

【謙一】

志穂……?


美甘の言葉に、先に応えたのは志穂だった。


Face_shiho

【志穂】

どうすればいいのか……それを見つけていくのが、真理学園なんだろ


Face_shiho

【志穂】

自分の青春は自分で、だっけ? 何か学園長そんなこと云ってたろ


Face_shiho

【志穂】

いや……アレは奪われまくる他のクラスへの言葉だったっけ。まーいーや


Face_kenichi

【謙一】

テキトウだなおい


Face_shiho

【志穂】

別に学園長の言葉なんてどーでもいい。忘れて構わないもんさ。それよりも……


Face_shiho

【志穂】

私自身が、そう認識してることの方が重大だ。私の青春は私が決める


Face_shiho

【志穂】

私は、私の求める私になる為に、手段として真理学園を選んだ


Face_shiho

【志穂】

私には、到達するべき地点がある。そこへ向かう為に……学生の時間をける


Face_shiho

【志穂】

時に道に迷うかもしれない。ルート再確認だってするだろうさ


Face_shiho

【志穂】

その時は、大人しく迷って、それでしっかり道を見定めるさ


Face_shiho

【志穂】

学園なんて、関係無い。立場上、私は学生になったけど、それも必須ひっすじゃなかった


Face_shiho

【志穂】

だけど効率的に利用できるものなら、何でも利用する。真理学園だって特変だって利用する


Face_shiho

【志穂】

そうやって私は、到達しなきゃいけないんだ


Face_kenichi

【謙一】

…………


Face_shiho

【志穂】

美甘、特変っていきなりぶち込まれた枠ではあるけど、実は滅茶苦茶使える環境だって気付いたんだよ私は


Face_shiho

【志穂】

だって、あそこは最高権力持ってるんだぜ? つまり何でもし放題なんだよ


Face_shiho

【志穂】

何か失敗したとしても、最高権力なんだ、無問題だ!


Face_kenichi

【謙一】

恐らく俺の後始末という問題は生じるけどな


Face_shiho

【志穂】

何でもできる、何でも試せる。良いこと悪いこと、試したいことを規定上、何でも実現できる場所だ


Face_shiho

【志穂】

まさに何でもそろう実験室。私たち特変は、真理学園をそう見なしていいんだ!


Face_shiho

【志穂】

まぁ唯一ゆいいつ障害があるとすれば、クラスメイト共の“釘”だろうけど……


Face_kenichi

【謙一】

はぁ……ま、いいんじゃねえか? そういうのを調整するのが俺なんだし


Face_kenichi

【謙一】

金貰ってんだ、仕事はするさ


Face_mikan

【美甘】

…………


Face_mikan

【美甘】

……確……かめる……


Face_kenichi

【謙一】

そういうこと、つっても俺の手のかからない程度にしてくれると俺は嬉しいけどな


Face_shiho

【志穂】

おめー何かコメントねーのかよ。美甘の


Face_kenichi

【謙一】

ああ……要らないかなって


Face_kenichi

【謙一】

俺の云いたいこと、お前が全部云ってくれたから


Face_shiho

【志穂】

……あっそ


Face_kenichi

【謙一】

確かめてみようぜ。お前に似合うのは孤独か


Face_kenichi

【謙一】

それとも、別の生き方か


Face_mikan

【美甘】

どう……どうやって……


Face_kenichi

【謙一】

簡単だよ。何のために俺がこのルールを作ったと思ってんだ


Face_kenichi

【謙一】

名前呼ぶんだよ。俺たちの、名前を


Face_mikan

【美甘】

…………名前


Face_kenichi

【謙一】

再度自己紹介しておこうか。俺が井澤謙一、このじゃじゃ馬が秋山――(←回し蹴り顔面炸裂さくれつ


Face_shiho

【志穂】

志穂でーす☆


Face_kenichi

【謙一】

……ま、聞き上手な美甘には要らなかったと思うけど


Face_mikan

【美甘】

……………………


この時。


堀田美甘が、決断する為に考慮されるべき基準は、無くなっていた。


それ故に――
自然の流れで、想いのままに。
堀田美甘は決めるしかなかったのである。


Face_mikan

【美甘】

――けん、いち


Face_kenichi

【謙一】

……ああ


Face_mikan

【美甘】

しほ……


Face_shiho

【志穂】

うん


堀田美甘が、他者の名前を声にした。
その瞬間――


lightblack




Face_kenichi

【謙一】

……!


Face_shiho

【志穂】

お――


三人の歩いていた方向から、光が差した。


Face_kenichi

【謙一】

ほら見ろ、何とかなったろ? 深い森だって、迷ったとしても出られるんだよ


Face_shiho

【志穂】

そんな名言を吐こうと頑張る謙一くんは、この後学校に酷く怒られるのであった


Face_kenichi

【謙一】

事後の方が大変だと!?


Face_mikan

【美甘】

あ――


音が鳴った。
いええぇええええええええええい!!! じゃあぁあああすてぃいいいいいいいす――!!!」とか叫ぶ着信音だった。
すなわち、志穂のアルスが着信していた。


Face_shiho

【志穂】

ここは電波飛んでるのか……


Face_kenichi

【謙一】

ていうかお前、その着メロのセンス……


Face_shiho

【志穂】

もしもしー


音声オンリーを選択してを開いた。


Face_saya

【沙綾】

― もしもしじゃないわよーーー!!! ―


瞬間、志穂の右鼓膜こまくがテロに遭った。


Face_shiho

【志穂】

おめースピーカーモードのノリで叫ぶなよゴラ! 三半規管さんはんきかんグラァしたぞゴラ!



Face_saya

【沙綾】

― ほんっとにもーーう!! 何回通話ボタン押させるのよ! ―


Face_kenichi

【謙一】

やべえ、激おこだ……


Kenichi

そういや沙綾に特変臨時に任せたんだった……
何となく適任だと思ったから咄嗟とっさに指名したが、きっと面倒だったろう……


Face_shiho

【志穂】

んなこと云われても電波飛んでなかったんだから仕方ねーだろー。そっちの状況は?


Face_saya

【沙綾】

― 一着ゴールして金ぶんどって下山してきたわよ ―


Face_saya

【沙綾】

― で、このままだと私が延々えんえん管理職代行しそうだから仕方無く貴方たち探そうってなったの! ―


Face_kenichi

【謙一】

ってことは上手くやってくれたみたいだな。そのまま管理職続けてみたら?


Face_saya

【沙綾】

― あ゙? ―


Face_kenichi

【謙一】

ごめんなさい云ってみただけですごめんなさいほんとごめん


音声通話なのに謙一は美甘を背負ったまま土下座した。


Face_saya

【沙綾】

― で、今どこなの? 美甘ちゃんは? ―


Face_kenichi

【謙一】

無事だよ。なあ


Face_mikan

【美甘】

うん……


Face_saya

【沙綾】

― え、ちょっと待って、今リーダーでも志穂でもない声聞こえてきたんだけど ―


Face_saya

【沙綾】

― まさかの美甘ちゃんの声!? ちょっと、最悪ー普通に女の子の声じゃないー…… ―


Face_kenichi

【謙一】

いや何が最悪なのか分かんないんだけど、説明求めるんだけど


Face_nono

【乃乃】

― 実は私と沙綾さんで賭け事を少し ―


Face_nono

【乃乃】

― どうして美甘さんが私たちと会話してくれないのか、その原因を私なりに予想してたんです ―


Face_nono

【乃乃】

― それで沙綾さんは、女子らしからぬ野太い声がコンプレックスで話せないのだと ―


Face_saya

【沙綾】

― 噂ってホント役に立たない時は役に立たないわよねー…… ―


Face_kenichi

【謙一】

オイ


Face_saya

【沙綾】

― 美甘ちゃん、関わりたいオーラは普通に出してたから、不可能ってニュアンスが在るのだとばっかり ―


Face_shiho

【志穂】

やっぱこの猫するどいな


Face_mikan

【美甘】

何でそんな噂が……


Face_nono

【乃乃】

― つまりは私の勝利ですね。美甘さん、大丈夫です心配しないでください ―


Face_nono

【乃乃】

― 美甘さんのお尻は私がしっかり洗浄してさしあげますゆえ ―


Face_kenichi

【謙一】

一体どういう背景予想したのか知らんけど全然違うからなクズ野郎ども


Face_nono

【乃乃】

― あれ、違ったのですか…… ―


Face_nono

【乃乃】

― 美甘さんは私が譜已さんのお尻に迫るのを必ず阻止していたので…… ―


Face_nono

【乃乃】

― きっとお尻に〇〇〇〇という行為に偏見へんけん、いえトラウマ故の価値観があるのだとばかり ―


Face_kenichi

【謙一】

お前譜已ちゃんのお尻〇〇〇〇とかギロチンじゃ生温なまぬるい罪だぞ、待ってろ今から断罪しに行く


Face_shiho

【志穂】

てかお前ら本人の前で好き勝手に賭博とばくすんなし


Face_shiho

【志穂】

そもそも何処にいんだお前ら二人。まさか森入ってねーよな? 洒落しゃれになんねーぞ


Face_saya

【沙綾】

― 入るわけないでしょーそんな面倒臭いどころか自殺行為。わざわざダイブするリーダーじゃあるまいし ―


Face_nono

【乃乃】

― それに、二人だけじゃありませんよ ―


Face_kenichi

【謙一】

え?


lightblack




――闇が支配する森を、抜けた。


普通の森になり、一気に緑と闇の比率が下がってまず三人が視界の中心に捉えたのは――




Face_joe

【情】

あ――?


Face_nagi

【凪】

あら


Face_so

【奏】

あーーーー!!!


Face_fui

【譜已】

……!!


Face_nono

【乃乃】

おや、これは探す手間が予想外な規模で省けました


Face_saya

【沙綾】

……はぁ~~~~~~……


沙綾は通話を切った。


Face_shiho

【志穂】

これまた、意外な展開だー


Face_kenichi

【謙一】

お前らどうして全員そろって――


Face_so

【奏】

バカパイィイイイーー!!!(←ダイブ)


Face_kenichi

【謙一】

ぐえぇええええ……!!?(←鳩尾に頭直撃)


Face_fui

【譜已】

良かった、謙一先輩、大丈夫――じゃ、なさそう――?


Face_nagi

【凪】

主に今の一撃がヤバかったみたいね


井澤謙一ダウン。


その背中に依存していた美甘も、足を道具で固定された状態なので動けず、何となく謙一を囲んでた一同は自動的に美甘をも囲む形になる。


Face_so

【奏】

美甘パイセン、脚……大丈夫ですか?


Face_mikan

【美甘】

ぁ――


Face_shiho

【志穂】

…………


Face_mikan

【美甘】

…………


Face_mikan

【美甘】

う……うん……


Face_so

【奏】

――!!


Face_so

【奏】

ぱ…パイセン、が……


Face_so

【奏】

美甘パイセンが喋ったーーーーーー!!!


Face_so

【奏】

いやっふうううぅうううううううう!!!


Face_so

【奏】

って何で誰も乗らないの!?!? 独りではしゃいでめっちゃ恥ずかしいんだけど!!?


Face_nagi

【凪】

恥ずかしいからに決まっているでしょう。どうして貴方同等の恥ずかしい存在に落ちなきゃいけないの


Face_so

【奏】

おうおう……こうなったら美甘パイセンの声聞けた記念に凪パイを血祭りにあげるしかないかなぁ……!


Face_so

【奏】

その血はシャンパン代わりだ、ひゃっはーーー!!


Face_shiho

【志穂】

コイツいつにもましてテンション高いな。どした


Face_fui

【譜已】

賞金で、舞い上がってるんだと……


Face_joe

【情】

……堀田美甘


Face_mikan

【美甘】

――!


Face_joe

【情】

てめえ、結局どういうつもりだ


Face_joe

【情】

いきなり口を開きやがって。支離滅裂しりめつれつ


Face_mikan

【美甘】

…………そんなの……


Face_mikan

【美甘】

ウチが、一番、分かってる……


Face_joe

【情】

……そうか


Face_joe

【情】

なら、別問題か


Face_saya

【沙綾】

は?


Face_joe

【情】

帰る。寝る


情が歩き出す。
その方角は恐らく宿舎である。


Face_saya

【沙綾】

相変わらず判断基準が真っ直ぐなこと以外意味不明ね情くん


Face_nagi

【凪】

貴方に云われたくもないでしょうけど


Face_saya

【沙綾】

でも帰るのは賛成さんせいー。私を働かせた罪はつぐなってもらうわよーリーダー


沙綾が。凪が。
情に続いて歩き出す。


Face_kenichi

【謙一】

グッ……また、貸しを作ってしまった……


Face_fui

【譜已】

け、謙一先輩、大丈夫……?


Face_kenichi

【謙一】

ああ……取りあえず、宿舎までは何とか美甘かついで歩かなきゃな……


Face_shiho

【志穂】

おら頑張れ男子ー


Face_so

【奏】

さーあ帰って後はプレフォウ買うだけだーー!!


Face_fui

【譜已】

あれ……? 奏ちゃん、プレフォウは欲しくないんじゃなかったっけ……?


Face_nono

【乃乃】

今ならば美甘さんのお尻が襲いたい放題ですね……どうしましょう謙一さん


Face_kenichi

【謙一】

やったら俺の権限で美甘に好きなだけ貴様への報復を許す


Face_nono

【乃乃】

やめておきませう


Face_mikan

【美甘】

…………


Face_nono

【乃乃】

……白い花を、見ませんでしたか?


Face_mikan

【美甘】

……え――?


Face_nono

【乃乃】

……いえ、何でもありません。見ていなければ、何も問題無いんです


Face_nono

【乃乃】

無事で、良かったです。美甘さん


それだけ呟き、乃乃は先を歩き始めた。


Face_so

【奏】

ほらほらー、謙一パイセンも! 早く帰りましょー! バス待たせてますよー!


Face_kenichi

【謙一】

マジか。運転手さんにも謝らなきゃなー……


Face_shiho

【志穂】

後処理係なんだから仕事のうちだろ、我慢しろー


Face_kenichi

【謙一】

管理職だから。断じてそんな認識は許さん


Face_shiho

【志穂】

ケチっぽいなーそういう男子は嫌われるんだぞー。なぁ美甘ー


Face_mikan

【美甘】

え? いや、その……


Face_mikan

【美甘】

……謙一は……しっかり、してるとは思うけど


Face_shiho

【志穂】


Face_so

【奏】


Face_kenichi

【謙一】

いよっしゃあようやく譜已ちゃん並みに俺を良識的に評価してくれる奴が現れたぞー!!


Face_kenichi

【謙一】

この溢れ出た元気で今「え」とか呟いた奴に体当たりしてやるぅううう!!!!!


Face_shiho

【志穂】

てめ、巫山戯ふざけんな、ハゲ成分伝染うつるだろーがー!!


Face_so

【奏】

はーげーるーー!!!


Face_kenichi

【謙一】

HAHAHA俺はハゲてねえけど好きなだけハゲやがれ両眼りょうがん節穴ふしあなむすめどもおぉおおおお!!!


Face_fui

【譜已】

(両眼節穴娘……)


Face_so

【奏】

ぎゃあぁあああああパイセンのへんたーーい!!!


Face_kenichi

【謙一】

はっはははははははは!!! 何とでも云えーー!! 但し俺はハゲてねえからなーー!!


Face_kenichi

【謙一】

今の俺は機嫌が良いんだーー!! はははははは!!!


Face_shiho

【志穂】

せめて美甘を降ろしてから燥げよてめー!!


Face_kenichi

【謙一】

とか云ってるけど、いけるよな美甘?


Face_kenichi

【謙一】

折角の勢いだ、流されるだけでもいいさ。燥ごうぜ? 一緒に!


Face_mikan

【美甘】

…………


Face_mikan

【美甘】

謙一が……


Face_mikan

【美甘】

謙一が、そう云うなら……


Face_kenichi

【謙一】

よっしゃ、任しとけ!


Kenichi

出会ったあの時から、俺は確信していたのだから。
お前とは、一緒に燥ぐと楽しいだろうなって!


Face_kenichi

【謙一】

折角の学園生活なんだ!




Face_kenichi

【謙一】

楽しく走って行こうぜ、美甘ーーー!!!


Kenichi

……そして。


Kenichi

いつか、お前ともこうして騒げる日を。
必ず迎えてみせるからな。


Kenichi

亜弥――


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