「特変」結成編2-2「お隣さん(1)」
あらすじ
「――彼らは、特変に最も近い領域に属するエリートですから」スタジオメッセイのメイン作品『Δ』、「「特変」結成編」2章2節その1。今までもそこそこ登場した小松目羅ちゃんが、正式な手続きを通して特変破りを申請してきました。彼女が属する対特変性クラス「特B」とは?
↓物語開始↓
Stage: 特変教室

【謙一】
特変破りの申請があった
その日の一時限目、文学。
まずその時間に謙一が話したのは、昨日放課後の報告だった。

【奏】
うわー、合宿から帰ってきていきなりだぁ……

【美甘】
まぁアレだけ煽れば、やる気になる奴も居るかもな……

【沙綾】
でもバカ正直にど真ん中から申請してくるって、ドストレートにバカよねぇ~

【情】
やるまでもねえ。無駄な時間だ

【謙一】
しかし受諾することになった

【特変】
「「「何でだよ!!」」」
総スカンを喰らう管理職。

【謙一】
イヤ俺は悪くねえよ。俺何もしてないもん。光雨

【光雨】
メイドはちゅーじつに、マスターに尽くすのー
教卓に置かれた、例の紙を光雨の瞳が映す。
そして黒板前に下ろされたバーチャルボードに、光雨の瞳の映す光景が映された。

【沙綾】
うわぁ、アルスも無く……いや、光雨がアルスなんだっけ

【志穂】
何だかんだで仲良く使えてるじゃねーか

【謙一】
家で色々頑張ったからな昨夜
Kenichi
亜弥も興味津々に手伝ってくれて助かったぜ。
ということで俺は寝不足でストレスフルな現在だが、今日もしっかり管理職しないとな。
特に今日は、コレを共有しなきゃいけない。

【情】
特変破り……申請完了用紙、か

【謙一】
昨日の放課後、この特変破りを仕掛けてきたクラスの一員、小松目羅から受け取った

【美甘】
ってことは、謙一が知らないうちに、特変破りが成立してた……?

【美甘】
乃乃が制度にした奇襲型なら兎も角、コレは本来の形だろ? だったら少なくともウチらの誰かが知ってた筈

【謙一】
一応訊いておく。誰かこの件、知ってたりした?
反応なし。
これも謙一は予想済みだった。

【美甘】
どうなってんだ、謙一……?

【謙一】
制度上OKなんだよな。お隣さんなら

【奏】
お隣さん?

【謙一】
コレを見てほしい。光雨

【光雨】
ガッテンなの~
隣に置かれた紙も、光雨が映す。
同時にバーチャルボードに映された画面に、もう一枚の紙が追加される。
特変制度がまとめられた内容である。
特変制度まとめ
①導入について
今年度より 3 年間、真理学園において特例クラス「特進選抜クラスA」(通称:特変)を 今年度A等部第一学年クラスとして導入することとする。特変は、他のクラスと立場の在り方が根本的に異なり、何事においても破格であることを示す存在である。よって自由を掲げる現真理学園は特変に対し、他クラスには無い権利を与える。
②特変の上格性
特変は真理学園の学校経営に干渉することを許される権利の程度を有し、学園所属の教員や他クラスの学生などは特変の権力行為に対して従うこととする。
③献上制度
B等部およびA等部に所属する総ての学年・クラスは特変に対し、授業週間の週末(土曜開校の場合は土曜日放課後に、そうでない場合は金曜日放課後)に必ず一つ「たいせつなもの」を献上しなければならない。なお、その献上は各教室に特変制度下の組織であるグリーンシャドウ隊の者が向かい、直接回収する形式を取る。献上するものはクラス内で決めてよいが、物質であることが前提条件である。これらに従わない場合は、学園側が調査した結果に基づいて献上するものを決定し、強制回収する。
④特変破り
B等部およびA等部に所属する総ての学生は次に定める「特変破り」を行う権利を有する。 これは特変に対し勝負を挑むことであり、これに勝利すれば後述する権利を与えられる。
⑤特変破り手続き
特変破りは、基本的に実行側と特変側の双方の合意と、学園への手続きが原則必要である。 後者については学園の教員に申請するなどして受け取った「特変破り実行申請用紙」に必要事項を記入し学園に提出する。申請用紙に記入すべき項目は、参加者数、全参加者氏名、希望日時、希望場所、双方合意のルールである。参加者数に上限は設けない。日時や場所については希望の通りとなるよう学園が働きかける。
(以下追加項目)ちなみに特変破りは上記の手続きを介さずとも、つまり合意を作らずとも可能である。但しその「奇襲」に失敗した場合、特変が自由に決定する「罰ゲーム」を参加者全員が受ける。
⑥特変破り成功者の権利
特変破りに勝利した場合、参加者が参加者数を上限として学園側に「願いの実現」を申請することができる。願いの内容によっては申請者との合議や代案もあり得るが、申請された総ての願いの実現に学園は全力を尽くすこととする。
⑦特B導入について
特変制度のもと、特変同様に「特進選抜Bクラス」(通称:特B)を今年度A等部第一学 年クラスとして導入することとする。特Bは特変破りと最も制度的繋がりの深いクラスであり、以下にその詳細を記述するが、実質的には対特変的である。
⑧特Bの対特変性
特Bは学力に限らない能力や実績を学園が公認することで、所属することが可能になるクラスである。特変は、このクラスが申請した特変破りを拒否することができない。ルールに ついては学園側の審査を通すが、原則として申請の拒否や内容の改変を行ってはならない。特変破りに勝利した場合に与えられる権利については上記の通りである。
⑨特Bの更新
特Bのクラス構成は学期毎に「更新」を行う。原則として学園側は所属可能な全学生を審査するが、特Bへの所属希望のある学生はそれを学園に申請することができ、所属希望の生 徒に対してのみ学園より行う通知や企画なども予定されている。審査の結果、更新時期に特Bへ移動することのできる学生に対しては学園より通知し、希望を受け付ける(希望申請をした学生については可否いずれの場合も通知する)。更新の際の審査基準であるが、今年度 の時点で中等部に所属する全学生、A等部第一学年に所属する全学生(特変を除く)。学園が非公開で設定した基準を満たす、能力や実績。なお、既に特Bに所属している学生も更新の対象であり、特Bからの離脱を学園が判断することもある。

【情】
特B、か……

【謙一】
そう、お隣さん。すなわち、俺ら特変の他にこの6Fに教室を構える唯一のクラス……

【謙一】
特進選抜Bクラスだ
Kenichi
5Fには空き教室しかない。まるで特進と一般を分かつフロアであるように……
しかも特変は盛大に嫌われてるから、このフロアに一般学生が訪れるってのは珍しい。アッチも訪れたくない筈だ。
それもあって、隣にクラス教室があるってのは結構意識させられるものだ。かつて朧荼から云われたように、まずこのクラスに最低限の秩序を見いださなきゃいけなかったから、今の今までずっと忘れてた存在だったが……

【謙一】
粗品でも渡しておけばよかったかな……特変破りに来られたってことは、隣も俺らを嫌ってるってことだろ

【訓舘】
ふむ……どうでしょうね
コレまでずっと無口だった教師が口を挟んだ。

【訓舘】
私も授業を担当していますので、彼らのことはよく見ています

【訓舘】
確かに特変を意識してはいるでしょう。彼らのアイデンティティに、特変は欠かせませんから

【訓舘】
しかし一般クラスの学生達とは、少し違う性質であると考えるべきかと

【謙一】
……?

【訓舘】
まぁ、実際に顔を出してみるのがいいでしょう。皆さんには及ばないかもしれないが――

【訓舘】
――彼らは、特変に最も近い領域に属するエリートですから
Kenichi
……特変制度において定義される「特B」は、誰の為のクラスか。
Kenichi
それは特変破りを成功させ、願いを叶えたい者たちにとって希望の枠。
1学期、2学期、3学期それぞれに特B構成のチェンジを行うと。「更新審査」と呼ばれている。この更新に乗ることができれば、一般学生は特変に最も対抗できると思われる特Bへ所属することができるようになる。
Kenichi
「対特変性」――特変は特Bの特変破り申請を拒むことできない。真正面から且つ、可能な限りの戦術の準備を以て特変に挑むことのできるクラス。
コレは学生たちにとっても欲しい力。そして学園長にとっても望ましい展開だった。特変破りが起きれば起きるほど、俺たちの権威は上がる。本質はまだ分からないが、学園長はソレを望んでる。つまり学園長の傘下に居るようなもんの俺達にとっても、望むべきことなのだろう。
Kenichi
……ならば。
Kenichi
彼らは、どうなのだろうか
Stage: 特B教室

【謙一】
…………
6時限目はこのクラスも総合のようだった。
その時間を使って――

【雪南】
はーい、いち、に、さん、し(←手を叩き)

【雪南】
このテンポを身に刻んでねー

【雪南】
できればシアちゃん、このテンポでピアノよろしく

【シア】
早く弾くの、難しい……

【目羅】
しかし、伴奏と指揮が合ってないのは致命的過ぎるなぁ。今は練習なのだから、まだ本番の早さじゃなくていい

【目羅】
今は朧荼氏に引き下がっていただくか。シアくんも練習しておいてくれ

【シア】
頑張る……

【秋都】
あ……じゃあ、私も、付き添うねシアさん

【目羅】
ふふっ……

【雪南】
……それじゃ、もう1回やってみようか
合唱の練習。
黒板前には電子キーボードを机に置いて指を添えるパツキン少女。それに指揮棒を持って椅子の上に立ったキザ野郎。
後方に、4人が一列で並んでいた。

【目羅】
美玲さん、お疲れじゃないですか? 少し休憩を入れましょうか

【美玲】
ありがとう。正直、ちょっと疲れちゃったかも~

【目羅】
でもシュークリームは禁止です

【美玲】
正直、それはすっごく悲しいかも~

【秋都】
鑓多さん、今日も独りシューパーティするつもりなんですね

【目羅】
九条くん、そういえば放課後はどれだけ残れるんだい?

【柚子癒】
医療班の集会があるの。申し訳ないけど、今日はダメ。明日も明後日も仕事あるから無理そう

【目羅】
分かった。こちらで計画練っておくよ
Kenichi
……あと3週間もあるのに、もう本番に向けて準備してるのか。
それも可成り、細部にもこだわっているようだ。
曲をもう決めて、歌詞だって……多分細部調整の為に必携なんだろうけど、実際暗記してるんだろう。
徹底した準備と呼ぶに相応しい。
Kenichi
なるほど、確かに可能な限りの戦術の準備。
俺たちにとって最大の脅威になり得るクラス。
Kenichi
これが、お隣さん――特Bか。

【目羅】
……おや

【謙一】
あ
隠れる様子もなく堂々と覗きをはたらいていた謙一の姿を目羅が発見する。
特に怒る様子もなく、むしろ笑みを浮かべて扉を開ける。

【目羅】
ようこそ、特Bへ

【謙一】
ああ。どうも
物怖じする様子も全く持たず、招かれたままに謙一は特B教室に入る。

【秋都】
け――い、井澤くん……!?

【シア】
……?

【柚子癒】
ゲ

【雪南】
やあやあ、やっと来てくれたねぇ旦那くん☆

【謙一】
気持ち悪い来んな

【雪南】
そっちから来ておいてソレは酷くないだろうか
雪南は指揮台代わりにしていた椅子に座った。休憩に入ったのである。

【謙一】
でも確かに、来るのが遅れたな。ご近所附き合いを疎かにし過ぎたのは自覚してるんだ、悪かった

【謙一】
ってことで粗品ですが

【目羅】
おや?
紙袋を引っ提げていた謙一。
それを目羅に渡して、教室を見渡す。
Kenichi
……分かってはいたが、俺らと教室の大きさは変わらない。
そして、合唱練習の為に机は壁際に寄せたようだが……その数、6。電子ピアノを置く机と合わせて7。
つまり、このクラスの人口は7人。俺らよりも少数なこのクラスは、もっと広々しているように思えた。

【謙一】
今は一人抜けてるのか

【雪南】
というか合唱コンにリーダーくんは興味無いんだよ。不参加だ

【謙一】
え、何ソレそんな横暴許されるの?

【雪南】
できないことはないんじゃないかな。徹頭徹尾サボる姿勢を崩さなきゃ

【雪南】
そんなクラスメイツを無理矢理本番に参加させたって、誰も得はしない。映像に不機嫌な姿が残るだけ

【雪南】
……ま、そこまでサボろうとする意思を通せるのは大物だと思うけどね

【謙一】
確かに。実際そこまでサボるのって逆にムズいかもな
Kenichi
俺の母校でも、不良はそれなりにいた。そいつらは様式美とでも云うべきか、クラス行事には、特に合唱コンなんて一見地味なイベントには興味無かったりする。真面目に練習に附き合ってくれなかったり……。
しかし何だかんだで練習には入って、結局本番も居るものだ。そしてそれなりに活躍してる。真面目かどうかは兎も角、最後の最後まで練習に参加しようともしなかった鉄の意志を持った奴は俺の知る限り居ない。
Kenichi
……真理学園の合唱コンは、どんな雰囲気なんだろうな。

【謙一】
敵さんに訊くのもどうかとは思うけども、合唱コンのこと教えてくんない?

【雪南】
ホントに何で俺たちに訊くんだろうね。沙綾ちゃん辺りにでも訊けばいいじゃない

【謙一】
これ以上貸しを作りたくないのアイツらに

【雪南】
相変わらず足下が安定しないね管理職くんは

【秋都】
あ、あの、井澤くん……
男二人の輪に秋都が加わった。
頑張って謙一と会話したい系女子なのである。

【秋都】
ごめんね……その、特変破り、することになっちゃって……

【秋都】
私個人は、そんな全然、井澤くんを倒そうとかそんな悍ましいこと考えてないんだよ……?

【謙一】
何か気を遣わせたみたいで悪いな。でも、徳川も割と俺らを敵視して攻撃した方がいいとは思うぜ

【謙一】
献上制度なんて逃れられない悪行もあるわけだし、徳川にとって重大な損失がこの先待ってる筈だ

【秋都】
あ、あはは……皆は兎も角、私は大丈夫かなぁ……
Akitsu
私に大切なものなんて無いし。

【謙一】
ん……そうか……? あぁそうだ、いま休憩してるんだったら俺の持ってきた粗品でも開ければいいんじゃないか?

【謙一】
個人的には早く食べてもらいたい

【目羅】
生ものなんだね。それじゃ、有難くいただこうか――
中身はシュークリームだった。
近頃大輪全体で人気な「ライジングサン」の12個詰め合わせセットである。

【美玲】
井澤くん、私、鑓多美玲っていいます。お見知りおきお願いします、仲良くしようね……!

【謙一】
えっと、どうも……鑓多さん、すか

【美玲】
そんな畏まらなくていーよぉ。私一応年齢上だけど、同じ一年だから、美玲さんでどうぞ

【雪南】
さん付け指定してくる時点で畏まるの不可避じゃないかな美玲さん

【謙一】
何か美玲さんと仲良くなってしまったんだが……
井澤謙一は鑓多美玲の餌付けに成功した。

【目羅】
クッ……初手からこちらの結束にクリティカルヒットさせてくるなんて、流石に特変管理職は手強いな……

【謙一】
いや、俺ホントにお詫びの印に持ってきただけなんだけど……

【美玲】
あっ――! 熱血大噴火シューまで入ってる! 私の好みもクリティカルヒット――!!
Kenichi
何そのシュークリームにあるまじき赤いシュー。

【雪南】
コレ、一体いつ用意したのさ

【謙一】
お邪魔しようと朝決めてな。昼休みにちょちょいとユストビまでお出かけ
Kenichi
あそこは奏が詳しくて、丁度良い手土産を訊いたところライジングサンが挙げられた。
んで行ってみると思いの外バリエーションがあって、何がいいのか分からなかったから福袋的な12個入りを選んだ。訓舘先生曰く十人未満とか云ってたから心配はしてなかったけど、足りてよかった。

【秋都】
ご、ごめんね井澤くん、わざわざ……

【謙一】
最近有名になってきてるシュークリーム専門店らしいな。俺よく知らないけど、それなら美味いだろうと

【謙一】
お口に合えばいいんだが……美玲さん以外、大丈夫?

【柚子癒】
ライジングサンを知らなかったの……? それ、結構レアな学生じゃない?

【謙一】
自覚してる。俺ホント流行に疎いんだ

【柚子癒】
美玲さん程熱中してないけど、凄く美味しいのよ。ちょっとユニークなものもあるけど……良かった普通のも入ってる

【柚子癒】
ありがとう、いただきます♪

【雪南】
1人2個だね。美玲さん食べ過ぎないように

【美玲】
はーい♪♪♪

【シア】
はむはむ(←食べてる)

【謙一】
あれ、もう一人の分は残さなくていいの?

【雪南】
居ない方が悪い。それに彼自身、興味無いだろうしね
Kenichi
何か気になるなぁ、最後の一人。
……「対特変性」を意識する前に抽出されてしまった、エリートたち……
それを束ねる立場に居るリーダーを。

【雪南】
そうだ、話を戻さないとね。合唱コンの話

【雪南】
といっても真理学園としては珍しいくらいに、普通だよ。一曲で勝負するのさ

【雪南】
審査員は観客。学年毎にどのクラスが良かったかを投票して、受賞を決めるんだ

【秋都】
私たちの学校の時と、変わらないかも……

【秋都】
選曲も賛美歌とかじゃなくていいんだって。私たちも普通の合唱曲で勝負するし

【謙一】
リーダーさんを入れないとなると……4人じゃん

【目羅】
ピアノをシアくん、指揮を朧荼氏に任せる。私と九条くんと美玲さん、そして徳川くんで同声四部合唱かな

【謙一】
混声四部ができないんだな。男子は朧荼だけだし

【雪南】
リーダーも男子だけどね。もういっそ男子抜くかって感じで指揮者に大抜擢
Kenichi
それは大抜擢と云っていいのだろうか。

【目羅】
ま、頑張って私と徳川くんでバスとテノールやるさ

【謙一】
なるほど、4人それぞれが別のパートを担当すれば丁度良いかもな。ゴスペル的な

【目羅】
マイクも使って良いからね。ボリュームは心配してない。寧ろ上手に調和できるかどうか
Kenichi
四人だから尚更、ボリューム含めたバランスが大事になってくる。しかし調整自体は大勢居る時よりも簡単なんだろう……
つまり、1ヶ月でクオリティを探求するにはなかなか優れた方針ってことか。それを決めるのは、個々のポテンシャル。

【謙一】
徳川そういや、合唱コンでバスのソロパート冗談半分で代打強制されてたな

【秋都】
う、うん……別に男声ってことじゃないと思うんだけど……

【秋都】
何か、頑張れば、迫力作れちゃうみたいで……

【謙一】
いやぁアレはかっこ良かったな……

【秋都】
(かっこいい……!?)
Kenichi
女声ではあるのだけど、何というか女性らしさを持ちつつ低音が響くというか……兎に角不思議な声を徳川は作れる。基本的にはソプラノだった筈だが……たまにかっこ良かったり怖かったり思うことがあるなぁ。
兎に角大切な情報は、徳川のポテンシャルは高いということ。アレをどう1パートとしてバランス調整していくかが課題になりそうだが。
Akitsu
謙一くんに……
謙一くんに評価、されちゃった――!!!

【秋都】
しゅ~~~~
秋都が保冷剤でヒンヤリしたシュークリームを食べながら沸騰しだした。

【謙一】
おいおいおいおい大丈夫か……?

【noname】
【目羅&雪南】「「うわー」」
取りあえず保冷剤を秋都の額に貼って応急措置しつつ、休憩時間いっぱい蔑ろにしつつあったご近所附き合いに勤しむ謙一だった。